ゆうぞう人生記 その0ー1「序章 其の壱」 | ものまね芸人 ゆうぞうブログ

ゆうぞう人生記 その0ー1「序章 其の壱」

ものまね若大将ゆうぞう。

代表作である加山雄三さんのものまねをはじめ

様々なベテランや大御所のものまねを得意としている。


そんなゆうぞうという芸人の一人間としての人生の記録を

このブログに少しずつ記していきたいと思う。

拙くて読みづらい部分などもあるかとは思うが、

何とぞご容赦いただきたい。


それでは、筆、いやスマホで書いてるので、

指を進めていきたいと思う・・・。



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時は第二次世界大戦の終戦後ほとんど間もない1946年。


都内はまだ焼け野原になっていたであろうし、

歴史上最大の世界大戦の直後で

世の中的にもきな臭さがまだあちこちに残っていて

まだまだ混乱が続いていた時代であったと思われる。



そんな中、福島県某所にて、産声を上げた人がいる。

今からちょうど75年前の本日、6月10日。



当然のことだが、私はその瞬間を見ていない。

しかし、彼女の誕生は私の人生を振り返るためには

絶対に欠かすことの出来ない、大事な出来事だ。



生まれた子はサチコ(仮名)と名付けられた。



その時、サチコには姉が一人居た。

そして、その後も妹二人と弟二人に恵まれて

最終的には六人兄弟となり、

両親も合わせると計八人の大家族となる。

少子化が叫ばれている現代とは違い、

団塊の世代と呼ばれる時期であったから

そう珍しくもない光景だったのかもしれない。



そして、数年後に福島県から東京の下町へと移住することになる。



サチコの父は福島県に生まれ、

もともと戦時中などに国内の要所での運転手として勤めた経験などもあり、

運転技術は当時としては優秀であったと言う。


その手腕を買われてか、下町移住後は

材木工場などで働いていたそうだ。

なので、きっと力持ちであったのだろう。



サチコの母も福島県の生まれ。

一人で六人兄弟の面倒を見ていたしっかり者であった。

料理が上手で何を作っても美味しかったそうだが、

特に得意料理は煮物だったという。



サチコ一家の移住先のとある下町は当時、

縦に横に都電や貨物列車などが走り、

まだ埋立地などもなかったので

線路沿いを歩けば東京湾にもすぐに出られたと言う。


当時は線路沿いを歩いていくとやがて足場がスカスカになり、

まるで釣り橋のような、骨組みのような足場で

真下がすぐ海!というような場所もあったと言う。

やんちゃだった幼少期に友達と「海に行こう!」などと言って

線路沿いを歩きながら、その場所へよく遊びに行ったと言う。

おそらく立ち入り禁止の看板も立っていたに違いないのだが。

「危ないから海に子供だけで行ってはいけません!」と親によく叱られていたと言う。



時は移り、1960年代初頭。

この頃にもなると日本は

高度経済成長期の真っ只中である。

アメリカとの安全保障についての議論も激化し、

大学生活動家などを中心とした

安保闘争なども一段と盛んになった時期である。


そんな中、サチコは手に職をつけるべく

裁縫を学ぶため、専門学校に入学する。

そして卒業後はその手先の器用さを生かし、

某大手時計製造メーカーに就職、勤務する。


幼少期からやんちゃであったサチコは、

社会人になって東京オリンピックが開催された頃には

都電で小岩や亀戸、銀座あたりに繰り出し、

友人や同僚などとよく遊んでいたという。



そして時代はさらに移り変わり1970年代。

歌謡曲、演歌、ポップス、フォーク、ロック、アイドル・・・etc

数々のヒット曲、名曲が誕生した70年代は

私ゆうぞうにとっては最高の時代である。

実際、私は1979年生まれなのでリアルタイムではない。

しかし、なぜだか好きな歌は60年代〜70年代なのである。



話を戻そう。

そんな70年代も後半に差し掛かったあたりだろうか。

まだカラオケボックスどころか飲食店にもカラオケすらなかった時代。

一流歌手はクラブなどでバンドをバックに歌い、

ちょっとした小さなお店には

流しの歌い手が来ては重宝されていた時代であった。



70年代も後半になり、サチコが30代に差し掛かった頃。

実家住まいであったサチコが家のすぐ近所の飲食店で友達と遊んでいると

「一曲いかがですか??良かったら伴奏しますよ。」


ギターを抱えた青年がその店にやってきたのである。



先にも書いたが、私はこの瞬間を見ていない。

だから全て聞いた話をまとめて、自分なりの記憶に基づき記したものである。


そして、このサチコと青年の出会いが私の人生にとって

とてもとても重要な出来事であったことは

後から知ったことなのである。




次回「ゆうぞう人生記その0ー2」へと続く。