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おおきく振りかぶって(1)、(2)

おおきく振りかぶって(1)、(2) (アフタヌーンKC) ひぐちアサ

おおきく振りかぶって (1)/ひぐち アサ
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[内容]

西浦高校の硬式野球部は今年新設されたばかり。監督は軟式時代のOGの百枝(ももえ)まりあ。部員は新入生ばかりが10人。投手の三橋廉(みはし・れん)は、中学時代、贔屓でエースの座に居座り、チームを連敗させてしまった罪悪感から自信を失っていた。しかしキャッチャーの阿部隆也(あべ・たかや)は、三橋の抜群のコントロールと特異なストレートに気づき、チームのエースとして立ち直らせようとする。

そして監督の百枝も、三橋のトラウマ克服のため、三橋の出身チーム・三星学園との練習試合をセッティングする。三橋の人並み外れた努力を実感した阿部は、チームメイトに「三橋のためにこの試合に勝ってほしい」とチームメイトに懇願する。試合を通して西浦高校野球部はチームとしてまとまっていく。


[感想]

一風変わった野球マンガ。しかしその感動はホンモノだ。


マンガの紹介では、2連続でスポーツものになってしましたが、「おおきく振りかぶって」です。この作品、今や腐女子の方々に喰らい尽くされているであろうことかと思いますが、普通に紹介させて頂きます。


野球マンガといえば、(豪)速球投手かパワーヒッターが主役と相場が決まっています。ところが「おお振り」の主人公・三橋は、投手ながら球速は100km/hそこそこ(登場時)。変化球はいくつか持ってるものの、これで勝っていけるのか? というような投手。脇を固めるメンバーも一年ばかり。普通にやっていたんじゃ、まず甲子園には行けません。しかし、三橋にはストライクゾーンを9分割にできるほどのコントロールがあります。そのコントロールを使って”配球”という武器で戦っていくことになります。そこで影の主人公(?)キャッチャー阿部の存在が大きくなっています。

またトレーニングも科学的、とりわけメンタル面を意識した”効率的”なトレーニングで強豪校に対抗していくという過去の野球マンガではあまりなかった手法をとってます。もちろんそのベースには、”練習量”というものも欠かせませんが。


さて、今回は1、2巻、三星との練習試合までの感想です。簡単に見どころを紹介。


①モモカン(百枝監督)がイイ人。

すごいね。この人。バイト代全部、野球部につぎ込んで「野球部のために使える幸せ!」とか言えないですよ、普通。野球も巧いしね。


②少女マンガチックな篠岡(女子マネージャー)

このワンカット以降は絵がガラッと変わります。必見。でも私は今の篠岡の方が好き。(笑)


③阿部がカッコイイ

基本、「おお振り」は阿部がメインの話だと私は思っております。三橋は性格が複雑なため、何を考えているかわからない存在として描かれることが多い。心理描写は阿部の方が圧倒的に多い。よって阿部メイン、確定。

ここまでの一番の見せ場はココ。三星戦の試合前、元チームメイト達におびえる三橋の手をとって、心の中で思う。


「こいつのために何かしてやりたい。 こいつの力になりたい!」


阿部、カッコイイ!!!


とにかく面白い作品なので、読んだことない方は1巻だけでも読んでみてください。



ところで、この作品でひとつだけ納得いかないことがあります。それは、三橋のストレート。

わたくし、物理・工学分野の人間なので、どうしても理屈を考えてしまいます。


三橋のストレートの特徴は、遅いストレートより落ちないこと。(=浮いて見える)


さて、この場合、落ちない理屈としては、スピードの割にバックスピンの回転数が高い、ということしか考えられないのですが、1巻で阿部くんは「三橋はちゃんとしたバックスピンをかけられない」と言っております。


また叶くんが、「出だしの角度」で「速度」を予測しているので落ちないように見えると解説をしています。しかし、これは少し眉唾。キャッチャーに到達する「高さ」も「出だし角度」で決まるので、それだけでは速度の予測はできないはずなのです。野球の場合、ボールを斜め横から見るため、その何点かの到達時間から速度とコースを推測しているはずです。逆に自分の顔(目)をめがけて投げられるとスピードは、推測できないのです。


ちなみに「出だし角度」と「速度」の関係ですが、空気抵抗と回転を無視して、同じ距離、同じ高さに投げる場合、遅い球の方が出だし角度が上を向きます。これは、遅い球の方がキャッチャーまでの到達時間が長い分、ボールが落ちる距離が大きいからです。

結局、叶くんも、ゆるいまっすぐより、「回転数」が高いから浮いたように見えると言っています。


つまり、三橋のボールはキレイなバックスピンじゃない(=回転数が低い)という発言とは矛盾があります。

少なくとも同じスピードの球を投げさせたら、三橋は他の投手より高い回転数の球を投げていることになります。

これ、誰か解説できる人いたら教えて下さい。(わたしも所詮は素人なので、間違ってるかもしれないです。)


さてここまで、長文でいろいろ書いてきましたが、三橋のストレートの理論がどうとか考えなくても、


この作品は面白いんで、無視して頂いて結構です。クセ球ってことでOKです!


以上。