幸ちゃんのことは比奈ちゃんから聞いていたし、

写メも見ていたし



でも、私にはわかった。



あれが新藤くんだって。



やる気のない眼とか。

冷めたような表情だとか。




とりあえず私、






恋に落ちたのでした。










久しぶりの一目ぼれ。




私は気づいたら新藤君の目の前まで接近していて


比奈ちゃんや幸ちゃんなんて

眼にも入らずに





「私、水城菜緒って言います。よろしくお願いします」




って自己紹介。




「・・・。は?」




まぁ、新藤君の反応は普通だったよね。



メールアドレスを交換するのも渋る新藤君を

丸めこんでくれたのは幸ちゃんだった。















なんでそんなに協力してくれたの?


いつだったか聞いたときに


幸ちゃんは笑って答えてくれた。


「新藤は友達も作らなくて、人を拒絶してたように見えた。

 理由は俺も知らなかったけど、菜緒なら新藤を変えてくれるんじゃないかって

 あの初対面の日思ったんだよ」






私は新藤君を変えることができたのかな?

それからなんにちもしないうちに


私は自分の学校が終わってからダッシュで電車に駆け込んで

家を挟んで反対方向にある比奈ちゃんの大学まで遊びに行った。


新藤君を見に行くという

今考えるとなんともミーハーなことを

片田舎の大学までしに行ったのだ。


ちなみに新藤君はいつも一人で暗い感じで

写メをとることにも失敗してたから


私は完全に初対面。




それも、漫画のキャラクターという二次元を頭に描いていたので

この恋がどうにかなるなんて

本当は誰も信じていなかったんじゃないかな?




比奈ちゃんはこの日までにターゲットを幸ちゃんに変更し

まずは幸ちゃんと仲良くなることにしたようだった。

私が校門についたときもう、比奈ちゃん達は最終の講義が

終わってて


幸ちゃんが新藤君を図書室捕まえていてくれて(笑)

あったこともない私の為に、幸ちゃんはがんばってくれたな。

今更ながらそう思う。



何分待ったか覚えてないけど

私の目標は


この日


“新藤君をみる”


ことだったから、


門の前で隠れて比奈ちゃんと落ち合って


「あれだよあれ!」

「きゃーあれかぁ!!」


なんてこっそり干渉するつもりだったのに。


あんなことになるなんて


一番びっくりしたのは

誰ったかな??


比奈ちゃんは私の為に

新藤君に早速話しかけてくれたけど


美人な比奈ちゃんが話しかけても

新藤君は冷たかったって聞いた。


比奈ちゃんも新藤君も医学部で


「学部一緒ですね。毎日講義受けてますよね」とか言って声をかけたみたいだけど

新藤君は比奈ちゃんと仲良くなる気が全くなかったみたいだって聞いてる。


それどころか周りには友達らしき人もいないし

すぐに比奈ちゃんは「この人はだめだ。」と悟ったらしい。



何日かして比奈ちゃんから



「あの男はだめだね」


なんて連絡がきたけれど





あったこともない男の人相手に




「漫画の新藤くんだってクールで友達いないよね!

 それ完璧、新藤君なんだよ!!」



って大興奮。


わけもわからず勝手に妄想して恋をしてた。



比奈ちゃんもこれは会わせてあきらめさせた方がいいなって

思ったみたいで


「じゃあとりあえず、学校終わるぐらいに校門で待ち合わせしよう」って

そう言われて数日後大学まで新藤君を見に行くことにした。








比奈ちゃんはと言えば新藤君のこと少し調べてくれていて

その中で新藤君に唯一仲の良い友人がいることが分かった。



それが、佐藤幸一だった。



私たちは幸ちゃんって呼んでる。

幸ちゃんはどちらかというと体系は太り気味。

ジャイアンにちょっと似ていて

強面だけど優しくて、小児科医を目指しているよな人。


両親は医者でお金持ち。



全く女の子にはもてていなかったけど

比奈ちゃんとは幸ちゃんの方が仲良くなっていた。



今でも私たちは仲の良い親友だよ。

そんな私が初めて新藤君を知ったのは

高校二年生の春だった。



当時私は9カ月付き合った彼氏と別れて(高校一年の6月から2月まで付き合ってた)


「よし!私は二次元に生きる!!」と間違った方向に

いきごんでいるときだった。



その時ハマっていた漫画は高校の友人から勧められた

某バスケ漫画。


そんな時比奈ちゃんが言ったのです。





「うちの学校にそのキャラクターと同姓同名の人がいるよ。

漢字違いなのが惜しい。けどイケ面らしいよ。会ったことないけど。」




もうこれは、運命Wハートと思った。




失恋の痛手は新しい恋でビックリマーク



そう思った私は早速彼に会いに行くことにした。






とりあえず、比奈ちゃんに


「その人と仲良くなっておいて!!!」と頼み込んで(笑)


今思えばこのころは

恋に対して一生懸命

猪突猛進できていたはーと




同じ趣味があった私と比奈ちゃんはすぐに仲良くなって



出会って三年たつころには

文通から連絡手段はメールに変わった。


比奈ちゃんは私にとってお姉ちゃんでもあり

親友でもあり


とにかく大切な人。


それは今でも変わらない。



当時の私は

オタクまっしぐらで

好きな男性のタイプを聞かれると

漫画のキャラクターの名前が出てくるような子だった。



比奈ちゃんと一番初めに


「この娘とは仲良くなれそう!!」


て思ったのは


好きなゲームが同じだったから。



アンジェ○ークっていう恋愛シュミレーションゲームで


好きなキャラは全く違えど

オタク度は一緒だった。

(ちなみに私は好きなのはゼフ○ル様Wハート




だから初めて比奈ちゃんと会ったとき



まさかこの人???



って思った。



あまりに美人だったから。


ほりの深い、透き通った


本当に



きらきら綺麗な人きらきら



一歳しか違わないなんて思えなかったんだよね



なのに

比奈ちゃんってば


人のことを



「可愛いなって思ったよ、菜緒のこと」



とかいってた。


すごく、趣味が悪いんだなっていうのは分かった(笑)


そのあともずっと私のことを可愛いっていう

比奈ちゃんに理由があるなんて思いもしなかったけど。




当時の私は


比奈ちゃんのそんな言葉だけは信じられなかった。