カナダのコロナ状況　その１

２月の後半に毛染めアレルギーになってしまいウォークインクリニックを訪れた時、コロナはまだまだ他人事だった。

待合室でしばらく待っていると中国人旅行者と思われる男性三人が見たことのないすごいマスクをつけて入ってきた。みんなザワザワ。でも誰も動かない。その人たちが受付へ行くと、おねーさんが「先生、コロナ！」って叫んだ。うわー、その瞬間年寄りと子供を抱えた人たちが外へ飛び出す。「子供に何かあったら訴えるぞ！」という男性の怖い声も聞こえた。そしてその人たちを見て初めてコロナがカナダにきたという実感がわいた。

３月に入り周りがざわざわとし始めたがまだ何もない。ただ世界中でアジア人＝コロナとか、『黄色に注意！』と避けられる傾向が出始めた。そしてバンクーバーでも数人のアジア人系患者が出没したが、全て外国帰りの人たちだと発表される。同時に日本のプリンセス号の報道が出る。あれは日本の教科書に載るのだろうかと新聞が皮肉っていた。

そして３月の半ば、さあ春休みという時にトルドー首相から「ステイホーム」要請が出された。

通常、混雑を避けるためにカナダは学校の春休み期間が違う。ケベック州はもう春休みが終わってヨーロッパなどから帰国中。オンタリオ州は春休みのど真ん中。彼らは急に帰国と言われてもほとんどの家族連れが帰国するのにもう１週間かかった。バンクーバーを含むBC州は旅行予定をキャンセルしてどこにもいけないまま閉鎖となった。

イタリア、韓国、スペイン、そしてアメリカなどなど、気がついたら世界中ですごい患者数になっていた。

こういう時に怖いのは何も知らない大馬鹿ものだ。アメリカならまだ行けるからフロリダで遊ぼう、と若者だけでなくいい年こいた中年も出掛け始めた。彼らは何も気にせずに地雷のうまっているジャングルに向かう動物のようなもの。みんなの命を守るためにそういう動物は早く捕まえておかなくてはならないのに時遅し。アメリカ•カナダの国境閉鎖が決まる頃には春休みを満喫した帰国組（感染者を含む）が戻った。

ただ、、、国民全員を閉じ込めるのは大事なのだが、感染患者をまず見分ける方が先ではないのか？と何度も考えた。

例えば、まずシンガポール。友達から聞いた話では、ある日警察から電話がかかってくるらしい。「あなたはXX の日にXXの床屋さんに行きましたね。そこからコロナ患者が出ました。今日から２週間自宅監禁です。あなたの携帯は監視されていますので絶対に外に出ないでください。毎日２回電話が入るので必ず受けてください。受けないと、罰金1000ドルか服役です」。賛否はぬきとしてこれは怖いから確実に効果あり。

一方韓国はボランティアと称する主婦たちなどが、学校の前やら道のドライブスルーなど至るところでコロナテストを実施していた。軍隊もマスクを作っていたというからお国のため精神で、この国も患者隔離にかなりの効果あり。

ドイツでは探偵調査で患者を探した。感染した人が誰と接近したか調べる人たちが会社に潜入。一人のコロナ患者が会社の食堂で塩をとってもらったところから始まる。そして塩を取ってあげた人はその前に誰と接触したか。そして一番最初の患者０まで探っていく。０は中国から来たビジネス関係者、特に女性が多かったそうだ。そうやってドイツは会社ごとに期間を決めて閉めさせた。この国もすごかった。

ところがカナダも入れて他の国はどうだろう。コロナ患者を見分けるテストのキットがないのか。患者数を出してWHOでランクづけされるのが怖いのか、政府は一体何をしているのだという心配が出た。

その２に続く。

カナダのコロナ状況 その１

カナダのコロナ状況　その１