不当表示を許したのは「結果的」ではなく「確信的」ではないか? | ものづくりエンジニアのたまり場ブログ・・・【mono-B-LOGue】

不当表示を許したのは「結果的」ではなく「確信的」ではないか?

日立子会社のエコ冷蔵庫はウソ…省エネ大賞も返上

廃棄された冷蔵庫の樹脂を断熱材に使い、製造工程での二酸化炭素(CO2)排出量を48%削減したなどとうたいながら、実際にはリサイクル材をごくわずかしか使っていなかったとして、公正取引委員会は20日、日立製作所の子会社「日立アプライアンス」(東京都港区)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。
(中略)
同社では昨年、リサイクル材を活用した冷蔵庫の開発を目指していたが、夏頃になって効果的な断熱効果が得られないことが判明。ところが、開発を担当する設計部と、カタログやポスター製作を担当する商品企画グループとの連絡に不備があり、結果的に不当表示になったという。
(中略)
同社は「お客様に誤解を与え、深くおわびします」とコメントしているが、製品の性能には問題がないとして、返品や交換は受け付けない方針。
この記事によると、製品の販売は9月。
そして、リサイクル材を活用して効果的な断熱効果が得られないことがわかったのが夏頃。

長く見積もっても発売前の2か月くらい前に発売する製品の仕様が予定通りでないことがはっきりしたということだが、この時点で違和感を感じる。

また、返品や交換を受け付けない理由が、「製品の性能には問題がない」ということ。これはすなわちリサイクル材を使うと期待していた性能が満足できないことが解ったから、性能を満足する材料を”意図的”に使ったということになるのだが、連絡不備というより、連絡しなかったということなのだろうか。

設計部は記事から読み取れる範囲でも明らかに怠慢なところが2つある。

まず、リサイクル材の断熱効果の確認を製品開発の直前まで行っていること。
全国の家電量販店などに配布するカタログの制作~配布までの最短期間がどの程度かわからないが、感覚的には2か月(それも長く見積もって)はギリギリなのではないか。
製品開発サイクルなどは確立されているだろうから、このような直前まで基本的な仕様について固まっていないということが奇異である。
机上検討だけで見切り発車をした可能性もあるが、いずれにしても怠慢だったのではないか。

もうひとつ。リサイクル材を使えないことをカタログができた後でも連絡できたはずだがそれをしていないこと。
既に公表してしまっているから、とかいう理由で、設計部サイドがだんまりを決め込んだのかもしれない。
もしかしたら、連絡したけれど、なにか世間に伝えないようにする力が働いたのか。
いずれにしても性能を満足する材料を使っているあたり確信犯的である。
性能を満足していれば、製品の”ウリ”である「CO2排出量48%削減」は使っている材料が見えないから解らないだろうと判断したのだろうか。

これは決して「連絡不備」ではない。確信犯的に「連絡を止めた」と言える。
したがって「結果的な不当表示」ではなく、「不当表示になることを確信」して製品を出したということに自らが説明しているように感じるのだが、他に解釈の仕方があればどなたか説明願いたい。


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