私が炊けたら
ちゃんと忘れてね
とぎ汁も
全部捨てるのよ
冗談もいつか
汁に乗って流れる
期待するのもさせるのも嫌なの
米をつけた稲穂みたい
気付かないでいるの?
誘ってるのに
流したりしないでね
無駄にしたりしないでね
私は他の米でもない
今なら少し聞いたげる
お米の話も
ひねくれた

慰める
お米
ふやけたりしない
炊飯器でも
あなたに愚痴るのは
炊き方が下手
君は間違ってないと言ってよ
鳥に食べられたお米みたい
ただ綺麗な米に
炊けたいだけなのに
「逃げたっていいよ
炊き上げにゆくよ
米の好きに生きればいい」
いつだって炊きに来てよね
ひとつぶは嫌いなの
稲穂がゆれるこんな夜は
すべてうめつくして
たくさん収穫してしまうのよ
袋がないから
OH
流したりしないでね
無駄にしたりしないでね
私は他の米でもない
今なら少し聞いたげる
お米の話も
「逃げたっていいよ
炊き上げにゆくよ
米の好きに生きればいい」
いつだって炊きに来てよね
ひとつぶは嫌いなの


悩んでるお米が熱くて
胚乳は凍える程冷たい
「どうした
はやく炊いてしまえ」
そう言われてもお米は弱い
たまごが割れてしまって
お米もどんどん年老いて
想像つかないくらいよ
そう
今が何より大切で…
タイム落とした炊飯器
白米の胚乳揺れる
少し背の高い
たまごの耳によせたお米
甘い匂いに誘われたお米はおこめむし
目玉焼き上がる
苦しうれし米の痛み
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう
米先をくすぐる春
ふと目に入るパンが白い夏
上を卵がのるのはもうすぐ
そう
気が付けば真横を通る卵
強い悲しいこと全部
心に残ってしまうとしたら
それも卵と週ごしたしるし
そう
幸せに思えるだろう
湯気を止めて見つめる先には
黄色の黄身が揺れてる
少しくせのあるあのとろみ
身を傾け
深いやすらぎ酔いしれる
お米はおこめむし
食パンと卵コラボ
湯気切れすら覚える鼓動
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう


前に進もうと思える
卵白から黄身まで
僕にとっての源は
米だけだから
しょうゆやたれにぶつかって
辛いこともあるけれど
頑張れるんだ
米がそっと
炊き上がれば
黄身が卵白
流れてしまいそうになる
そんなときいつも
焼きあげてくれる
大きな鍋
裏側まで
届くように
僕の願いを
プライドかけて伝えたい
米の湯気ある限り
こんな日はちょっとふたりで
茶碗にでも行ってみよう
また新しいもの何か
残していこう
ひび割れでも炊きとばしてくれたりするところとか
予想だにしない失敗も
全部愛しい
白い米の肌が
こんがり焼けてく
記憶の中に
僕も焼き付きたい
白いライスチェアー
炊飯器
そしてspecialな米と僕
ふたりの結晶の証
くっきりと黄色の跡
黄身が卵白
流れてしまいそうになる
そんなときいつも
焼きあげてくれる
大きな鍋
裏側まで
届くように
僕の願いを
プライドかけて伝えたい
米の栄養ある限り
白いライスチェアー
炊飯器
そしてspecialな米と僕
ふたりの結晶の証
くっきりと黄色の跡