さて、不親切な警察にたらいまわしにされて
マンハッタンを走り回っただけに終わった二日目。
この日は泥のように眠りました。
今日は三日目からのお話です。
この日から世間は公式にThanks Giving Daysに突入します。
学校のほとんどの機関も休止します。
もちろん食堂、購買も。
つまり、寮の管理局も閉まるので
連休明けまで鍵の再発行ができません。
おまけにうちの部屋のドアは少し特殊で
ドアの外から一度鍵をかけると
中から外には出れますが、解錠できているわけではなく、
ドアを締めるとその際に勝手にロックがかかり
もう一度カギを使わない限り中には入れないのです。
少し分かりにくいのですが
つまり
もし僕がカギを持たず一度外に出ようものなら
二度と自分一人では部屋に戻れないのです。
そしてルームメートの二人のニックは
もちろん連休明けまで帰ってきません。
ということは
アメリカ全土がハッピーな気分で過ごすこの大型連休を
自分の部屋から一歩も出ずに過ごさないといけないということ。
あ、トイレとかシャワーは使えるよ。
でも洗濯はできない。
怠惰な僕は不幸なことに
ニューヨークにでる前に溜まってた洗濯物を溜めっぱなしできたので
連休の数に残りのパンツの枚数が間に合っていない。
ということでパンツも手洗い部屋干しで乗り切るしかない。
学食、購買も閉まってるので食料調達も一切できない
という状況ですがこの点に関しては
米やラーメンなどの食糧を溜めこんであったので安心。
まぁどっちにしろ残りの休みは家で勉強ゆっくりしながら
過ごそうかと思ってたしまぁいいや。
そんな気持ちで4日間のHikikomori Giving Daysが始まりました。
この間にとりあえずいろんな情報を探しました。
するとNYの警察についてある事が分かりました。
それは
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マンハッタンに点在する各警察署には
それぞれ管轄の範囲が決まっており
その範囲を越えて手を出すことはできない。
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考えたら当たり前のことだけど気づかなかった。
そうか、だから彼らはキレ気味で
「だから一体どこで無くしたんや」
と聞いていたんか。
NYの警察のホームページにいって
各署の管轄の範囲の地図を探してみた。
お、あった。 これや。
青いマークが署の位置、青い線がその管轄エリア。
ふむ、これは分かりやすい。そういうことね。
この画像を抜き出して
昨日必死に紙を見せて説明した僕の
行動ルートを描き足してみた。
1. Empire State Buldingでパスポート使用
2. その後5thAve.を北に歩き57th付近の店に入る
3. 電車で南に降り、駅から少し東に歩いた地点で気づく
これは ヒドい。
見事に3つの管轄エリアをまたいでいるじゃないか。
これは追い返されても仕方がない。
しかしそれでも「I don't care.」は無いよなぁ。
無理なら無理でじゃぁどうすべきか教えてくれたらいいのに。
やっぱり「ああああ」にしてやりたい。
ついでにあの男の警官の名前は「チャモロ」にしてやる。
とにかく管轄エリアをまたいでいる僕の説明が悪かったということ。
あのやる気の無い警察のやる気を削ぐような説明は
しちゃいけない、ということですね。
わかった、じゃぁ無くしたポイントを一点にしぼればいいんでしょ。
かつ昨日と違う説明でも怪しまれないように違う署で説明すればいい。
昨日買い物をした店内で無くしたことにしよう。
ここなら管轄エリアが昨日と違う署だからこの作戦を実行できそう。
まぁ…ほんとにそうかもしれないし
100%のウソというわけでもないからいいや。
バカ正直に全て話してたら誰も助けてくれへん。
そもそもあんな対応されたらこちらも誠意を持って接する気にはなれない。
正直に全て話す事がいつも正しいとは限らないのも悲しいこと。
そして以下が僕の立てた作戦。
1. PM6:30頃、57thSt. 5thAve付近の店Aに入る
2. 入店直後にパスポートの有無を確認(支払い時に提示するかもだから)
3. 結局購入せず、店Aの前で記念撮影。(証拠の写真は実際にある)
4. この時カバンにカメラをしまう時に紛失に気づく。PM 7:30
これでいけるやろ。 2. と4. 意外は事実やし。
もしこれでまた断られたら終了のホイッスルが鳴るよ。
しかしこんなに小さな管轄エリアで
犯罪捜査の分担がうまくいくんやろか。
犯罪発生地が不特定で
その可能性のあるエリアが大きい犯罪も結構あるハズ。
まぁ今はそんな事はどうでもいい
VISAなどの他の問題も残ってるけど
IDも失って砂漠に放たれた羊のような今の僕にとっては
とりあえずはパスポートを少しでも早く取得することが最優先。
連休明けすぐにニューヨークに行こう。
念のため先輩の家にお邪魔して二日間かけて挑もう。
ほぼフル出席だった学校を二日も休むことになるけど
今は何を一番優先すべきか冷静に考える事が大事。
もう一つ大事なことがあった。
それは戸籍謄本。
パスポートを申請する時に必要な書類で
これは日本から取り寄せないといけない。
幸い発行手続きに入るにはコピーでもよい
との話だったので、実家の姉に頼んで
原本をすぐに送ってもらい、また
スキャンデータもメールで送ってもらいました。ありがとう。
原本は火曜日とかに学校に着くやろからとりあえず
スキャンデータをプリントして持っていこう。
受け取りの時に原本は渡せばいい。
んで連休明けたらまずは鍵を再発行しよう。
んでその後バスでマンハッタンに行こう。
あ、ID無いけどバス乗れるかな。
この前はチェックされなくてラッキーやったけど
次はどうなるかわからん。
この事は鍵ゲットした後に
国際学生課長のリチャードに聞いておいたほうがいいな。
そんな事をぼんやり考えて
手洗いしたパンツをはいて
Hikikomori Giving Daysを過ごしました。
月曜日。
とりあえず朝から鍵の再発行を依頼。
玄関と部屋のカギの二つで300ドル。 はぁ。
仕方がないけどこれでとりあえず鍵は手に入った。
次は国際学生課長のリチャードに相談。
彼は
「役に立つかわからないがこれを持っていきなさい。」と、
失ったパスポートのコピー、
VISAのコピー、
その他の重要書類のコピーに
彼のサインと判子を加えて渡してくれました。
おぉ!ここにパスポートのコピーあったのか!
なんでも大事なものはコピーやスキャンをとって
万が一い備えておくもんです。痛感。
準備を整った。 いざマンハッタンへ。
結局またバスではIDチェックされず。
彼らはわりと適当なのかもしれない。
緊張しながら3つ目の警察署へ。
「パスポートを紛失しました。」
ひきこもギビング中に何度もしたイメトレ通りに説明。
警「ほんまに盗まれたんか?誰かがひったくるのを見たのか?」
mo「いえ、直接見た訳ではありません。
しかし確かに閉めてたカバンが後で開いてたのです。」
と、怪しまれながらもなんとか話は聞いてくれた。
警「この用紙に記入しな。」
ヤター(゚∀゚)
この調子やとなんとかいけそう。
用紙を書き終え、提出後少し待つこと10分
警「こっちでは『盗難』ではなく『紛失』として扱うから。」
mo「え?でもカバンが開けられてたんですよ?盗難じゃないですか?」
警「いや、あなたの証言では盗難とは決定し難い。」
「それにあなた最初に『紛失しました』と自分で言ったでしょう?」
mo「えw わかりました。」
なんですかそれw
確かに最初の一言は
「I lost my passport.」
やったけども。
あんなけ大変な思いをして
結局「自分で無くした」という扱いで終わってしまうんですか。
警「はい、これを領事館にもっていったら発行できるから。」
渡された紙はめっちゃ殴り書きで
事件内容が記された紙。
え、これが公的なポリスレポート?
いやでもパスポートが発行えきるならなんでもいい。
そして後から警察から電話がかかってきて
発行に必要なComplaint No.というのを警察から聞いた。
これでやっとパスポート発行手続きに入れる! (゚∀゚)キター
この日はだいぶ気が楽になったので
夜に友達とスカイプでチャットして寝ました。
火曜日。
気を抜きすぎて11時半に起床。
少し焦って支度をして領事館へ。
これで「やっぱり無理です」とか言われたらどうしよう。
とか心配してたけども
大丈夫でした。
手続きに入ってくれました。
来週の火曜日には出来上がってるとの事。
良かったぁ(´∀`)
もうこの時も
イベントをやっとクリアしたドラクエの主人公の気分。
ドラクエと違うのは人生では
ぼうけんのしょにきろく をしておいて
全滅してお金半分になったらリセット
というのができない、ということ。
本当にあの時はリセットボタンを押したかった。
全ての仕事を終えて気が抜けた僕は
夜のタイムズスクウェアをゆっくり歩いて抜けました。
1週間前に
マンハッタンなんか滅びればいい
とか思いながら必死で走り抜けたこの場所も
心に余裕をもって見ると
鮮やかな光が散りばめられててキレイなもんです。
ミスチルの櫻井さんがエソラで歌ってたのはこの事か。
そういえばもうすぐクリスマス。
街はいたる所できれいにライトアップされています。
と夜の街の景色を楽しみながら歩いていると
有名なネズミのカップルを発見。
どうやら親と一緒に道を歩く子供をひっかけて
記念撮影をすることでチップをせがみ
おこづかい稼ぎをしている様子。
その証拠にネズミの手には「TIPS」と書かれた袋が。
しかしこの左のネズミ。
明らかに日焼けしすぎである。
そしてデブすぎる。
これじゃ完全に
フロリダでバカンスしてきたミ○ーマウスじゃないか。
最後にもう一度先輩に挨拶をしにいって
バスの駅に向かうことに。
タイムズスクウェアにてあのドーナツ屋発見。
とりあえず食っといた。ウマし。でも店員は無愛想。
ドーナツ屋の傍には牛丼屋があった。
そんな感じでバタバタした一週間。
なんとか最悪の事態は免れた形で終える事ができました。
パスポートは次の火曜日にとりにいきます。
VISA, 出入国手続きカードについても
リチャードに聞いた所あまり心配はないようです。
ということでちゃんと冬休みは日本に帰れますので^^
無くしたら困る重要書類は
コピーをとる、もしくは
スキャンして自分のメールアドレスに送って保存しとく
などのなんらかの形で残しておいた方がいいですよ^^;
本当に困った時のこれらの恩恵は女神のキスのように感じるものです。
本当に大変な一週間でした。
しかしあの時はあんなけ絶望モードで笑えなかったことも
走り回ってあれこれ必死に考えてもがいた結果、
結局今は数ある過去のネタの一つとして笑って話す事ができるのです。
こういう「点」の連続でできた「線」の先っちょに僕は立っており
次の新しくやってくる気まぐれな点にまた一歩進むんですね。
何がいつ起こるか分からないこの先っちょの毎日に生きてるのですから
たまに失敗したりいきなり意図せぬ困難に陥いる事は当然のコト。
大事なのはいかにそこから冷静に打開するか。
そしてその痛い経験をいかにその後の生活に活かすか。
それによって新たに迫りくる気まぐれな次の点は
気まぐれながらも、きっとよりよいものになり得るでしょう。
人生エラーだらけの僕にとっては特に大事なこと。
今回の経験は自分にとって大きな苦境の一つでしたが
自分の将来にしっかり活かす事ができれば
これはこれでオイシイ経験だと思っています。
海外でパスポートをスられて解決策を考えて乗り越える
なんて普通の生活ではそうそう無いもんね。
失ったものもあったけど、考え方次第では
得られるものも相応にあるもんです。
その「得られるもの」の価値を決めるのは僕の心。
この経験を少しでも価値あるものとして
自分の心に吸収して背を伸ばしたいもんです。
かなり大がかりな3部作になってしまいましたね^^;
まぁ最近更新してなかった分とでも思ってくださいw
最後まで読んでいただいてお疲れ様でした。
それではさようなり。






















