あれは私が看護師1年目の時だった。
当時の主任さんが
またきついタイプの人で。笑
ただ看護への情熱が
ものすごくある人で
私は尊敬していた。
その頃
50代の末期癌の方が入院していた。
私はその日その方を
受け持った。
だけど
1年目で経験も知識もない
看護師だった私は
その方がお話しされる
ことが
受け止められなかった。
「痛い。辛い。苦しい。」
その訴えに対して
どうしてよいか
わからなかった。
どう看護したらよいか
わからなかった。
ただこのままじゃいけない。
患者さんの苦痛をとらなければ
いけない。
そのことだけはわかった。
自分ではどうしたらよいか
この場合どうするべきなのか
わからなかったから
当時の主任さんへ
助けを求めた。
主任さんは
私の話をわかってくれ、
患者さんの元へ一緒に
行ってくれた。
主任さんは
患者さんが寝ている
ベットの横に膝をつき
患者さんの手を握り
話を聞いていた。
私はその様子を
ドアの入りのところから
伺っていた。
私はただただ主任さんと
患者さんが話す言葉を
聞いていた。
心は不安感でいっぱいだった。
患者さんの話が聞き終わり、
主任さんとひとまず
退室した。
廊下に出た時に私は
主任さんに対して
「ありがとうございました」
と、一緒に患者さんの元に
行ってくれたことに
対してお礼をいった。
主任さんは私にこう言った。
「あなたさ、あそこで何をしていたの?
私は患者さんの側に行き話を聞いていた。
あなたは、患者さんのために
あそこで何かしていたの?」
うぅ〜〜・・・
だめだ。今でも思い出すと
涙ぐむくらい
この言葉が私の心を
グサリと刺した。
てか半端なくキツくない?この言葉

今考えると主任さんもよく一年目の子に
ここまで言えたなと思う。
当時の私は
自分の無力さを嫌と言うほど思い知った。
たぶん
今でもこの主任さんの言葉が
私の根底になっている。
看護師は患者さんのために
いつ何時も
何ができるかを考える
これが強く残っている。
厳しい経験だったけど
厳しすぎる言葉だったけど
感謝している。
看護師としての
私を作ってくれた言葉だと思う。