私は都内に住むサラリーマン

嫁とは10年の付き合いだが、2年前からワーホリで嫁だけがイギリスに渡っており、かれこれ遠距離婚をして一年半程度が経つ

コロナ禍で日本とイギリスの行き来が出来ないこともあり、半年以上会えてない日々が続いている

嫁を見送った一昨年の秋、羽田空港まで見送りに行った時、三十路を過ぎた大の男が、飛び立つ飛行機を見ながら号泣していた頃が懐かしい

今は時差9時間あるなかで、昼夜逆転の時間サイクルが織り成すテンションの違いを乗り越えて、毎日LINE電話をしてやり取りをしている



嫁とは私が23歳、社会人2年目で出逢い、一目惚れしてもうアタックして、付き合いをスタート

当時はお金がなくて、マック行ったり、ウィンドウショッピングに行ったり、湘南乃風の曖歌みたい(わかんない人多いかもたが)みたいな感じだったのを思い出す

一念発起して私が外資の会社に転職し、鹿児島の地で一人で仕事をスタートさせたあと、体が壊れるまで働きすぎてしまい、夢半ばで東京へ都落ちしたとき、心から支えてくれた嫁への感謝はつきない

やりたくもない性に合わない事務の仕事を一生懸命こなし、生活を守ってくれた

そんなこんなで私も徐々に復活、仕事へも復帰して付き合って5年目の夏にプロポーズ
泣いて喜んでくれるかと思ったら、暗闇の中で指輪が見えなかったらしく、笑われてしまったのはなんだか悔しいような逆に私たち二人らしいのかもしれない

しばらく楽しい結婚生活が続いたある冬の日、私は大阪に出張してファミレスで晩飯を食べていたところ、嫁から鬼のようなLINE電話が入った

イギリスのワーホリのVISAがあたった…!

…そんな申請してたん!?っと驚きつつ、昔から海外に住みたいって夢が叶うならば、応援したいと純粋に思ってその事を嫁に伝えた

嫁は結婚してから旦那を残して一人だけ海外に行くとは思ってなかったらしく(じゃあハナから応募すんなよってツッコみたい)、葛藤は大分あっただろうが、最終的には決断して渡英することに

20代のほぼ全てを私との時間、そんな事もないのかもしれないが尽くしてくれた分、30代になる直前にこういった機会に嫁が巡り合えたことは、嫁にとってだけでなく私にとっても驚きと新しいことに挑戦できる喜びが全身を包んでくれた

その後はお金のやりくりや、向こうでの生活に備えて瞬く間に時間が過ぎて行き、気づいたら一人で日本に残ることに

今まで一緒に寝ていたセミダブルのベッドも、今では一人で寝るのが丁度良い大きさに感じられるw

ただいつもふとした時に、嫁に会いたいと思ってしまうところに、男って弱いなーっと(男というより特に私)つくづく感じる



長くなってしまったが、そんなワーホリの期間も残すところ半年、なんと嫁がイギリスでワークVISAを取得するかもしれないとのこと

嫁を便りに次は私も渡英する可能性が出てきた

昔は私も海外に住みたいと思っていたが、いざ目の前にその機会が訪れると、二の足を踏んでしまっている自分に気付き、三十路のクソジジィと自分を殴ってやりたくなる感覚に襲われている

今後どうなるか分からないが、日本に残るのか、イギリスに行くのか、この微妙な心境を書き綴っていきたいと思う