男は後悔した。
年老いた父の丸まった背中は少し小さくなったように思える。
あれだけ叱られた際には握られた拳は皺だらけだ。
迫力のあったパンチパーマは今では僅かな髪を残すばかり。
それでも昔と余り変わらないのは、お腹周りの肉と浅黒く焼けた顔だ。
その様子を見て男は少しばかり嘆いた。
お互い歳を取った。
だが男の歳と父親の歳のとり方は全く違う。
堅実でまっすぐに家族を思い働き続け日々を、笑い続け生きた父。
片や甘え、大事な選択を軽んじ己の欲を重きに考え生きた男。
2人一緒に暮らしてはいるが生きてきた中身は全く違う。
その事に思い行き着いた男は後悔した。
今までの自分の生き方を。
浅はかな考えの日々を。
男は今までの人生を振り返る。
長い時間だがそれに見合うだけの中身がない人生を。