泥酔していたのでいつの間にか寝たが深夜に目を覚ます。
妻がキッチンで電話越しに誰かに罵倒されている。
ワタシは無言で妻の電話を取り電話を代わった。
電話口では女性が怒り狂って吠えている。
ワタシ「電話代わりました、〇〇の夫ですが」
女性「あなたがウチの主人に暴行してお金を恐喝した人ですね?」
ワタシ「そうですね、それがウチの妻に何か?」
女性「はぁぁ???あなたとあなたの奥さんのこと訴えますからね!」
ワタシ「えぇ、別にそれは構いませんがお互い一方的な話でしか状況を理解できていないと思いますので一度奥さんとお会いしてお話させていただきたいのですが」
女性「わ、わかりました。では明日ウチの家に来ていただけますか?」
ワタシ「わかりました、お伺いします」
電話を切り、怯える妻に言った。
「俺がなんとかする」
翌日、浮気相手の自宅に一人で訪問する。
浮気相手の妻とその父親が待っていた。
浮気相手の妻はいきなり吠える。
「主人の顔は腫れあがり全治2ヶ月の診断書も出ていますから!」
ワタシ「まず最初に言っておきますがご主人に暴行を加えたこと、恐喝したことに関して一切否定はいたしません」
ワタシ「そして私の愚妻が奥様にご迷惑をおかけしましたこと、全て私の責任としてお詫び申し上げます」
浮気相手の妻とその父は想定していなかったワタシの発言に戸惑ったようであった。
父「なんでウチの義息子を殴ったり恐喝したんや?」
ワタシ「あいつは私に自分は独身やと言いました。だから私は私との離婚後の妻の面倒を責任持ってみるようあいつに言いましたがあいつはアレは遊びでしかなかったからそれは無理だと言いました。だからです」
父「・・・。」
妻「ウチの主人はあんたのトコの嫁が誘惑してきたと言うてるんやっ!!」
ワタシ「ウチの愚妻も同じようなことを言っていました。どちらが真実かは私は当事者でないので知りません。ですが私の妻は手足を縛られあなたのご主人に強姦されたわけではなく、それはご主人も同じだと思います。ですので私は今回の件に関してどちらが悪いとも思っておりませんし、ご主人への暴行及び恐喝はそれとは別問題です」
父&妻「・・・」
ワタシ「暴行&恐喝について全くの事実なので刑事事件にして頂いても私は構いません。そして不貞行為に関しては私の愚妻の行いに対して奥さんに謝罪をするために伺っただけです」
父「わかりました。こちらもあなたに対して謝罪します。義息子にも謝罪をさせたいのでこの部屋に連れてきても良いか?」
ワタシ「お父様と奥様のお気持ちありがたく受けさせて頂きますがあいつに会うのはお断りします。また暴行することになりますのでご理解ください」
妻「今回の一件、私はあなたを訴えません。そして今回の件はこれで終わりたいです。主人への慰謝料の請求を白紙にして頂けますか?」
ワタシ「当然です。私が傷ついたのと同じ傷をあなたも負った。それ以上に私があなたまで巻き込んだことを個人的にあなたに謝罪する」
そして、全てがなかったことにされた。世間的に。
続く
