忘れられない言葉
突き刺さった言葉
励ますつもりだったのかもしれない・・![]()
でも、そのときの私には
そして今の私にも
突き刺さったまま抜けない棘となった言葉
「震災や交通事故で一瞬で命を絶たれる人もいる
余命が短かったとしても
時間を与えられたことは恵まれている」
そうかもしれない
でもそうではないかもしれない
そう考えなくてはいけないのかもしれない
でもそう考えることは
そうして亡くなった方に失礼だと思う
人生は比べるものではないから
何が幸せかなんて人それぞれ
ましてや比べて自分が優位に立っているなんて傲慢だとも思う
そんな言葉をはじめ、聞こえてきた本当の声は
「私ってすごいでしょ」
お見舞いに来た目的は自己顕示だったのかと思うほど
年下の彼女は、自分がいかに優れているか
東大院卒の官僚のご主人がいかに優れているか
聞いてもいないのに、顕示して帰っていかれた・・
ずっと、どうしてお見舞いに来てくれたのか疑問だった
来て頂いたことには感謝しなければならない
そして来てくれたばかりの頃は
会社帰りが何度か一緒になったくらいなのに
わざわざお見舞いに来てくれるなんて・・そう感謝していたのに
それで終わることができれば良かったのに
家を整理していてどうせ捨ててしまうからと
持って来てくれた15年以上も前に刊行された何冊もの本を
コーヒーかチョコレートドリンクで汚れたであろう
中身が貼り付いた本を
虫が歩き回る本を
病院のベッドでしかめ面をして眺めていたら
その他のいろいろないろいろな状況を思い出したら
心の重い扉が「バタン」と閉じてしまった
私は貧しい心を持ち続けてしまっている・・
お見舞いに来てくれた
取り巻く全てのことを忘れて、来てくれたこと
そのことを感謝すべきなのに・・
でもここで終わりにしよう![]()
今書いたことで、彼女との関係もすべてを終わりにしよう![]()
彼女は間もなくエリートの官僚のご主人の
海外赴任でアメリカに飛んでいく・・![]()