中国との国境の町ザミンウード。

タクシーの運転手さんからは、
この町に見るところなんか何もないと言われた。
長距離トラックの休憩所で働く母娘に訊いてみた。

「国境見られますか?」
「見られるよ。」
「どうやって行けますか?」
そんなもん見たいの?変な日本人。
などと二人で話している気配。
母が娘に言う。
「あんた連れてってやんなよ。で、○○を買っておいで。」
娘さんと一緒に駅前に行き、
乗り合いジープに乗り込む。
前には運転手以外に2人、後ろには4人。
ぎっしり詰まって、約10分。
道路は意味不明に掘り返されていて、
斜面を乗り越えたりもして、
よけていくのが大変だ。

車が大きく揺れると歓声があがる。
ドライバーもちょっと得意気だったりする。
荒っぽく、ぶっきらぼうだけど不快じゃない。
勢いがある。生活する人びとの逞しさ。
ジープを降りて少し歩くと、
国境のゲートが見えた。

彼女の後について、国境事務所に入る。
しかし、これは裏口ではないか。
いいのか?
中国からはるばる国境を越えてきた
外国人の皆様が並んでいる。
それを裏から見る不思議。
ここの人々にはこれが日常。
「買い物してくるから、ここで待ってて。」
と言われ、外に出た。
中国からの大量の物資を載せたトラックが
次々に走っていくのをぼんやりと眺めていると、
彼女がビニール袋を下げて出てきた。
「何買ってきたの?」
「ドイツ製のいいお酒がここで買えるの。」
休憩所に戻ると、
「くたびれたでしょう。
電車の時間までちょっと眠りなさい。」
と部屋に案内してくれた。

鍵のかからない部屋だ。
窓から外を眺める。
広い空。

見渡すと、どこにでも砂が紛れこんでいる。
飛んでくる。
空気や風と同じように、ここには砂がある。
なんとなく海が近い町にいるような錯覚に陥る。
だけど、潮の香りはもちろんない。
海なんて、はるかはるか遠くにしかない。
この町で海を見たことがある人はどれくらいいるだろう。
手荷物を枕にして、気が付けば熟睡していた。


タクシーの運転手さんからは、
この町に見るところなんか何もないと言われた。
長距離トラックの休憩所で働く母娘に訊いてみた。

「国境見られますか?」
「見られるよ。」
「どうやって行けますか?」
そんなもん見たいの?変な日本人。
などと二人で話している気配。
母が娘に言う。
「あんた連れてってやんなよ。で、○○を買っておいで。」
娘さんと一緒に駅前に行き、
乗り合いジープに乗り込む。
前には運転手以外に2人、後ろには4人。
ぎっしり詰まって、約10分。
道路は意味不明に掘り返されていて、
斜面を乗り越えたりもして、
よけていくのが大変だ。

車が大きく揺れると歓声があがる。
ドライバーもちょっと得意気だったりする。
荒っぽく、ぶっきらぼうだけど不快じゃない。
勢いがある。生活する人びとの逞しさ。
ジープを降りて少し歩くと、
国境のゲートが見えた。

彼女の後について、国境事務所に入る。
しかし、これは裏口ではないか。
いいのか?
中国からはるばる国境を越えてきた
外国人の皆様が並んでいる。
それを裏から見る不思議。
ここの人々にはこれが日常。
「買い物してくるから、ここで待ってて。」
と言われ、外に出た。
中国からの大量の物資を載せたトラックが
次々に走っていくのをぼんやりと眺めていると、
彼女がビニール袋を下げて出てきた。
「何買ってきたの?」
「ドイツ製のいいお酒がここで買えるの。」
休憩所に戻ると、
「くたびれたでしょう。
電車の時間までちょっと眠りなさい。」
と部屋に案内してくれた。

鍵のかからない部屋だ。
窓から外を眺める。
広い空。

見渡すと、どこにでも砂が紛れこんでいる。
飛んでくる。
空気や風と同じように、ここには砂がある。
なんとなく海が近い町にいるような錯覚に陥る。
だけど、潮の香りはもちろんない。
海なんて、はるかはるか遠くにしかない。
この町で海を見たことがある人はどれくらいいるだろう。
手荷物を枕にして、気が付けば熟睡していた。
