年上の従兄たちのお古のレコードや本をとことん活用していた私。
ゆえに+10歳くらいの方々が少年少女時代に夢中になっていたアニメの主題歌だの、ヒーローモノのストーリーだのはまったく違和感なくついていけます。

愛読書には、ゼロ戦の名パイロット・酒井少尉の手記もあれば、忍者モノもある。
祖母が文学系雑誌の記者や編集者をやっていたため、担当していた作家さんの著作などもあり、明治、大正、戦前、戦後の旧仮名遣い・旧漢字、ほとんど古文みたいなものも。

とにかく活字中毒。文字が書いてあればむさぼるって感じだった小学生。へんなやつー。

子供の頃に読んだもので、題名は忘れちゃったけど、脳裏に焼き付いて離れないエピソードや一文があり、、、いつかまた読みたくなる本。ありますよね?

私にとっての、そんな名著が現代口語体になって、復活してました。

「無人島に生きる十六人」須川邦彦著

新潮文庫の冒険記シリーズとして復活したようです。
表紙の絵も挿絵も、今風で、読んだ感じも
「なぁんか違う・・・?はてなマーク」と思ったのですが、決め手は、慢性の下痢に悩まされたときに、万年灯をつるして温まった丸太の上に座ると症状が軽くなる、というエピソード。

なんのことかわからないですよね?

私は子供の頃から、無人島と漂流記、サバイバルものが大好きだったのですが、これはすごいのです。

今でも、私はモンゴルで野営をする時に、焚き火のソバにある丸太に腰をかけてしまうくらいです。

モンゴルモノ不足時代や野営で水と食べものつきちゃった調査の時など、この本に書かれていたエピソードでどれだけ救われたことか!

海での遭難、無人島でのサバイバルでありながら、海なしの大地・モンゴルで応用できたものは何か?

読んでいただければわかっていただけるはず。

現代語で挿絵もなんだか子供向けなのががっかりなのですが、でも内容は間違いない。
素晴らしい!

日本人の根性と知恵と工夫の賜物です。

25年振りに、しかも、今、この本と再び巡り合ったのも何かの縁。

負けるものか!という闘志とともに、創意工夫の面白さ、チームワークなどなど、神様からの啓示としか思えぬ。

これを古本屋に出しちゃえる人、、、すごいな。
私が持っていた本は、幼馴染の年の離れた弟だか妹のところに流れて行ったので、ほんとに感激です。

普通の本屋さんに売っているのかどうかわからないけれど、アマゾンドットコムでは取り扱っています。それもまた、すごい。

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)/須川 邦彦

¥420
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