事故


今頃になってあの電車の運転士が脱線の直前にも 微動だにしなかった という証言が明らかになってきた。こちら  1年前の事故直後にもここに書いたように、あれは運転士の 「覚悟の自殺」 説、が真実味を帯びてきたように思える。 以下はその時書いた 記事 のコピーです。


長距離トラックに乗っていたとき、会社の同僚に何度か小さな事故を起こしていた運転手がいた。 ある時、自転車と接触事故を起こしておばさんに怪我を負わせてしまった。 たいした怪我でもなく会社の事故係がちゃんと示談を済ませたが、彼はものすごく落ち込んでいた。 しばらく構内作業に配置換えをして車を降りていたが、再び乗り始めてすぐにごく軽い、まあ車体の塗料がハゲた程度のものだったが、接触事故をまた起こしてしまった。 その事故相手の運転手と話をしている現場から彼はいきなり走りだして列車に飛び込んで自殺をしてしまった。


一番驚いたのは相手の運転手だ。 何でこれくらいのことで死ぬんだ? 新聞の記事にもそんなコメントが載っていた。 事故を起こした電車の運転士も以前停止線のオーバーラインをやったらしい。 他にも小さな違反行為も。そしてこの日もやった。 運転手に 死んでやろう という気持ちがその時起こったのではないだろうか。 自暴自棄・未必の故意・無理心中。 ブレーキは眼前の恐怖に対するためらい傷と。 事故直前の運転司令室からの呼び出しに運転手が二度とも応じなかった、と聞いてふとそんな過去の哀しい記憶が頭をよぎった。


今はその時とちょっと考えが違う。「自殺」といっても、厭世でもなく自暴自棄でもない。あれはJR西日本という組織への 特攻攻撃 といったほうが適当かもしれない、と。 メディアの中にもこういう説が少なからずあるのではないかと、最近の奥歯にものの挟まったような関連記事を読んで思う。特攻・爆弾・乗客・・・犠牲者の方々に対して余りにも不遜か。

学者・先生の意見が空論とまでは言わないが、少なくとも輸送の 現場で泣いた経験 がある俺の意見のほうがより真実に近いと思う。