心理学統計法で学ぶこと

 

講義の目的

 取得したデータをようやくするための方法や、部分的なデータから全体の特徴を推測するための方法を身につける。

 

学習目標

 心理学で使う推測統計学の基礎を習得し、統計ソフトを使ってそれらの分析を実行できるようになる。

 

今回の講義の内容

・統計学とはなにか

・心理学でなぜ統計学を使うのか?

・統計ソフトウェアについて

・本講義を学ぶ上での留意点

 

1.1 統計学とは

データを要約し、そこから推測する方法

 

データ

・現実に存在するあらゆる資料や記録、調査結果など、情報を符号化したものすべて

・統計学では、主にカテゴリや数値によってコーディングされた情報のことを指す

 

2つの統計学…記述統計学(要約する)

       推測統計学(推測する)

 

1.1.1 記述統計学

得られたデータを要約する手法(情報圧縮)

・データはそのままでは複雑

・ようやくすることで人間でも理解できるものになる

 

 データの可視化

 統計量の算出

 

 データの可視化

  ・グラフや表を使って視覚的に把握

  ・(02)の講義で学習する

 

 統計量の算出…雑多な情報をある1つの値にようやく

  ・1つの変数を要約する(03)

  ・複数の変数の間の関係を要約する(04~06)

 

 統計量…データから算出された数値

     合計値、平均値などの値

 変 数…値が変化する量

     個人個人で値が異なる量

     伸張、体重、性格特性など

 

1.1.2 推測統計学

得られたデータから、そのデータ発生源である母集団と呼ばれる対象の性質を推測する。

 心理学のデータと母集団

  ・実験のデータ:多くて100人程度

  ・知りたい対象:人間全般の心理機構

 100人の特徴ではなく、人間全般の特徴を推測するためには、推測統計学が必須。

 ・確立を用いて母集団を推測する仕組みを学習(07~08)

 

推測統計学

 統計的推定

 ・母集団の平均値をデータから推測する

  (09~10)

 統計的検定

 ・確率の考え方を応用して、実験で得られた効果が母集団でも同様にあるといえるかを判断する方法

  (12~14)

 ・統計分析の注意点

  (15)

 

推測統計学の目的

 測定、予測、因果関係の推測、現象の説明

 

 心理測定学:測定

 機械学習:予測 (天気予報など限られた情報から予測)

 統計的因果推論:因果関係 (2つのグループで無作為と介入条件)

 統計モデリング:現象の説明 (新型コロナの感染の広がりなど)

 

心理学統計法と因果推論

 心理学での統計学の主な使い方

 ・因果関係の推測

 実験による因果関係の推測

 ・実験で得た因果関係が他の人にも当てはまるかを一般化したい

 ・推測統計学の知識が必要

 データのとり方にも工夫が必要

 ・因果関係を知るための方法論(06)で解説

 ・心理学研究法も同時に学習する必要がある

 

本講義の特徴

 これまでの統計学の講義

 ・手計算で統計量や検定を行うことを重視

 ・利点:統計学の理解が正確になる

 ・欠点:手計算が可能な範囲にしか説明されない

 

 統計ソフトを使うことを前提にした講義

 ・実際に卒論で使う統計分析を実行でき、またその原理を理解する

 ・結果の解釈ができることを目標

 ・すべての計算方法を理解している必要はなし

 

心理統計のためのソフト

 どの統計ソフトでも同じ結果が出る

 ・本講義で扱う統計手法の歯にでは、ソフトによって結果が変わるということはほとんどない

 ・使い慣れたものを使うのが良い

 

 これから学習する人のために

 ・SPSS:有償ソフトでボタンをクリックしながら分析する(IBM)

 ・R:フリーソフトで、プログラミングをしながら分析する

 ・HAD:本講義の担当者(清水)が開発したソフト

 

統計ソフトHAD

 Excelで動く統計ソフト

 ・Excel自体は有償だが、HADのプログラム自体は無償

 ・Microsoft Officeがあれば統計分析できる

 

 「HAD統計」で検索

 ・清水のWebサイトが最初に出てくる

 ・参考書もいくつか出版されている

 ・小宮・布井の「Excelで今すぐはじめる心理統計

         簡単ツールHADで基本を身につける」がオススメ
 

HADの使い方(ver16.302)

 1) データ読み込みボタンを押す

 2) 隣のページに移動したら、使用変数ボタンで使用したい変数を選ぶ

 3) 分析ボタンで、分析法を選び「OK」

 4) 別のシートに結果が出力される

 

 ダウンロードサイトのユーザーズガイドにも使用方法がある

 

必ずノートとペンを用意する

 印刷教材を読むとき

 ・ノートを開いて、重要な言葉の定義をメモする

 ・数式は必ず自分で書いて意味も理解する

 ・できればコラムの数式の展開も自分で行う

 

 講義を聞く時

 ・印刷教材を読んだ時の理解と一致しているかを確認

 ・違う場合はノートを修正する

 

分からなくなったら戻って読む

 統計学は積み上げ式に学習する

 ・回が進むにつれて前の講義内容の知識を前提とすることが増えてくる

 印刷教材の太字の意味を理解する

 ・重要な言葉の意味を忘れている場合は、その言葉が定義されている部分を読み直す

 文献も読んでみる

 ・適宜、参考文献も上げているので確認する

 

数式について

 数列の和

 ・Σ記号を使って表記する

  ・Σはギリシャ文字で、アルファベットのSに対応する

  ・挿話を意味するSummationの頭文字

   5

 Σ xi=x1+x2+x3+x4+x5
   i=1

 ・i=1とは、初項が1番目であることを意味する

 ・上の5は5番目までということ
 

数式について

 二重のΣ記号

  3 4

  Σ Σ xij
  i=1 J=1

 ・行列になっているデータをすべて足すこと

 ・添え字は、最初が行(横)、あとが列(縦)(行列と覚える)