私の中の一番古い記憶は、
1歳半の頃、ストーブに手をついて
大やけどを負ったときのことだ。
当時私は、ストーブは熱いから触っちゃダメだ
と分かっていた。
でもその時だけは、どうしてもそのストーブに
触ってみたくなった。
「触ってみようかな~」
と思った瞬間のことを、今でもよく覚えている。
私が大きくなってから、母親にその話をしたら
母親は驚いた。
親としては当然、まだ赤ちゃんだから
「熱い」と分からずに触ったんだと
思い込んでいたらしい。
------------------
私には年の離れた弟がいる。
彼は小さい頃、怒って大泣きするときは
必ずそこら辺にある椅子や物を倒した。
私はてっきり
「むしゃくしゃして気が収まらないから
物にあたってるのかな?」
と思っていた。
つい最近、そのことを弟に話したら、
弟は当時のことをよく覚えていた。
「あの時は、周りをぐちゃぐちゃにして
破壊的なイメージにすることが必要だったから
物を倒したんだよ。」
私はびっくりした。
単に物にあたっていたわけではなかったんだ。
子供をなめてはいけない。
きっと、その行動の裏には
ちゃんと理由がある。