先日の10月14日にディアンジェロ(D 'Angelo)が亡くなったというニュースを見て、最初はその享年51歳という若さに言葉にならなかったのですが、だんだんと考えがまとまってきたので、久々にブログを書いてみようと思います。

 

ただ、著名人が追悼コメントを残す中、ローリン・ヒルの追悼文がなかなかに名文で、私の言いたい事がより少ない言葉で表現されており、なんかもう書かなくてもいいかと思ったりするのですが、よろしければ拙文にお付き合い頂きますと幸いです。

 

 

ディアンジェロを最初に知ったのは、雑誌のサウンド&レコーディングか何かで、細野晴臣さんが最近よく聞いているアルバムとして2ndアルバムの「Voodoo」を挙げておられたことからです。

もう20年ほど前のことになりますね。

 

アルバムジャケットはCDショップなどで目にしたことがあり、筋骨隆々の黒人男性がジャケットを飾っていることから、ラッパーの2PACとかDMXとか、そういう系なのかと勝手に思って、まぁ嫌いじゃないんだけど、そういう攻撃的な系統の音楽なのかな、とジャケットで判断していました。

 

 

しかし、細野晴臣さんがどんな文章で紹介しておられたかは忘れてしまったのですが、当時の細野さんはモダンなテクノ系というイメージだったので、ヒップホップとかそういうの聴かれるのね、と意外に思って興味を持ちました。

 

で、購入していざ聴いてみると、衝撃的でした。

こんな音楽は聴いたことがない!という感じでした。

というか逆に、どこかで聞いたことがあるようで、特定のアーティストやジャンルを挙げることができない、という感じでしょうか。

ジャズ、ブルースからヒップホップまで、全ての黒人ルーツの音楽から「黒さ」を抽出して凝縮したような、音と音の隙間の濃密さと心地良さに衝撃を受けました。

 

ローリン・ヒルがインスタの追悼文の中で

「あなたは黒人男性社会の中で強さと繊細さの統一の象徴でした、そのどちらかでなければならないとされる世代において」

(原文"You imaged a unity of strength and sensitivity in Black manhood to a generation that only saw itself as having to be one or the other.")

と書いていて、まさにその通り、という感じです。

 

ただ、音楽自体はポップソングのようにAメロがあってサビがあって、というようなものではないですし、人によっては何が良いのか全然わからん、という方も大勢おられるかもしれません。

 

あと、2ndアルバムに収録されている「Untitled」という曲のMVが、今回YouTubeのおすすめに出てきたので、音ばっかり聞いてきた私としては初めてD'AngeloのMVを見てみたのですが、ディアンジェロが上半身裸で(というかおそらく全裸で)カメラの前でずっと歌う、というものでなんじゃこれは!となりました(笑)

映像が強烈すぎて音楽が入ってこない(笑)ファーストコンタクトがこのMVだったら、恐らく私はディアンジェロのファンにはなっていなかったことでしょう。

 

ただまぁおそらく、単純なナルシシズムとはちょっと違って、レッチリのアンソニーとフリーが服を脱ぎがちなのと同じ文脈なのかなぁと思ったりしました。

 

MVを色々ざっと見てみた感じですが、ディアンジェロをこれから初めて聞いてみよう、という方におすすめできそうなMVを貼ってみます。

ただ、これまで触れてきた2ndアルバムではなくて、1stアルバムの曲なので、普通のオシャレなR&Bに聞こえてしまうこともなくもないのですが…

 

 

 

ディアンジェロは寡作な人とも言われており、生涯中3枚のオリジナルアルバムを発表しています。

その3枚を勝手にとんこつラーメンに例えると、

 

1st「Brown Sugar」

…万人が食べられるようにマイルドにされたとんこつラーメン

 

2nd「Voodoo」

…地元の人が好むくっさいとんこつラーメン

 

3rd「Black Messiah」

…とんこつラーメンにイカスミをぶちまけたかのような特級呪物(褒め言葉)

 

という感じでしょうか。

だいぶ大げさに書きましたが。

 

ただ真面目な話、3rdアルバムの1曲目を最初に聞いた時は、あまりのグルーブの異様さから頭がおかしくなるんじゃないかと一瞬思いました。

アルバムタイトルから想像できるように、アフリカ系アメリカ人の怨念のようなものも込められているのかなぁとも思います。

 

私は洋楽を聴くときはあまり歌詞を聞いていないことが多いのですが、ディアンジェロの歌詞はわりと露骨にエロかったりするらしいので、もし私が歌の歌詞を全て聞き取れるほど英語力が高かったら、ディアンジェロの印象もまた違ったものになったかもしれません。

 

あと、実はライブ盤を私は聴いたことがないので、ライブ盤はオリジナル盤と比べてまた別物、と聞きますので、いずれ聴いてみようと思います。

 

 

 

私の中で、存命中のアーティストの中で最も天才だと思っていたのがディアンジェロだったのですが、それもついに王位継承の時を迎えてしまいました。

 

というわけでこれから私の中で、存命中のアーティストの中で最も天才だと思うのは、トレント・レズナー(NIN)ということになります。

 

思えば、ディアンジェロとトレント・レズナーは音楽界において対極を成しているようにも見えますが、耳に心地よい一つ一つの音作りへのこだわりという点ではわりと近いものがあるような気もします。

 

多分私の好みとして、プレイヤータイプの人よりもプロデューサータイプの人の方が好きなんでしょうね。

 

最近は映画トロンの音楽なども手掛けていて、まだまだバリバリ活動しているようなので、これからもお元気でいてもらいたいものです。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!