映画「蒸発」の寄せ場の撮り方はどうか
ドイツ人と日本人監督共同の映画「蒸発」を見た。日本で年間8万人が蒸発しそのうち8割は元に戻るが残りは”消える”と言う。今はやりの夜逃げ屋(家業)TSCの女社長や実際に息子が蒸発中の家族、5億の借金から逃れ、失踪中の夫そのほか、毒親から、ブラック企業から、はたまたやくざの事務所から逃げた男性らが取り上げられていた。彼らは、世間から”蒸発”中である。で、貧困家庭に育ち、その後やくざ事務所にも務めていたが、そこでも借金ができ、追い込みをかけらて逃げ出し流れついた先が釜ヶ崎だった、という男性が映し出されていた。一発で”センター”だな、とわかった。大阪西成区にある釜ヶ崎、「あいりん総合センター」だ。しかし、ちょっと待って、センターはもう閉鎖されたはずでは?クレジットは2024年だがいつの映像を使っているのだろうか。他、いまみや小学校の外フェンス、三角公園など見覚えのある風景が映し出されるが少し古い気がする。古くたってかまわないが、今の釜ヶ崎と違っているだろうし、私の認識する釜ヶ崎と差異を感じる。身を隠したい人が住む町、というより寄せ場と言う下層労働者の人々の住む町なのだがまぁ、偽名で暮らすには十分だし失踪者には適している、といえよう。失踪して身を隠す。男なら釜ヶ崎で女はホテルの住み込みあたりで、新しい土地で生きる。まぁ人生いろいろある。個人的には釜ヶ崎の映像が強くて炊き出しにごくごくわずかな金額を寄付しているので、実際の炊き出しはこんな風景なのか、とか昔寄せ場学会員だったころのことを思い出しながら見た。鬼籍に入った人も多い。事業に失敗して失踪を決意した男性が、家を出る直前に息子から「パパ、いつ、出張から帰ってくるの?」と訊ねられて「3日後」と答えたという。その時、人は怖いなと思った。