おはよう師匠。
まさかこのももBが、男のために仕事も全財産も失うとは思ってもみなかった。
その昔、
「男運と仕事運、あたしってどっちかな」
っていうCMがあった。
ももBはぶっちぎりで仕事運。
いいんだか悪いんだか…。
ももBみたいに基本仕事が出来ないのに大黒柱にならなきゃいけない人間は、神様が気の毒がって仕事運くれてるんじゃないかと思うね。
ももBの家は自営業。
大きい事ばっかり言って、結局何1つ成功出来なかった父に代わり、母が家計を支えてきた。
景気が悪くなってしまった頃、年末年始だけバイトしてくれないかって話になり。
やってみたけど、やっぱそのまま続けて長期で夕方から働こうかってなハナシになり…。
年末年始のバイトは、長期は夕勤募集してなかったので、他の仕事を探したら、ちょうどいい時間の仕事が見つかった。
6年ぐらい働いてたけど、とある問題が生じてそこを辞める事に。
免許も使える資格も無く、料理も出来ないももBに出来る仕事は、清掃しか無かった。
清掃の仕事は、時間が短い。
だから、午前、午後、土日と3ヶ所で働いた。
午前中の仕事で、あり得ない事をミスとして指摘され、急にやる気を失う。
何とか午前中の仕事を見つけなければ
すると、ちょうどいいタイミングで、履歴書がフルパワーを発揮する仕事が見つかる。
時間も昼から夜までで、ちょうどいいので、他の仕事を辞め、そこ1本に。
ただでさえ元ダンに仕事がなくてももBが働かなきゃならないのに、父が病気になり、その治療費も全部ももBが負担しなきゃならなくなり…。
上司に頼んでそのまま仕事を時給の良い夜勤に変えてもらった。
そうこうしているうちに、父は亡くなり、元ダンとも別れ…。
第2期婚活突入。
そして、きくりんと出逢う。
きくりんは天涯孤独で、持病もある。
何とか助けたいと思った。
きくりんの具合が悪いので、家にも帰れなくなり、仕事も休まざるを得なかった。
仕事を休まないのがウリのももBにとって、それは何より辛い選択だった。
きくりんは病気で働けないし、生活費も全部ももBが出さなきゃならない。
貯金も全部無くなり、ローンが増え、結局仕事を辞めて、きくりんの家に近い所で新しい仕事を探した。
そこまでしたのだが…。
彼とは上手く行かない事は、出逢ってすぐにわかった。
だけど、行くところまで行こうと決めていた。
結果、2ヶ月一緒に暮らす事になるのだが、性格は真逆だし、最終的には、彼はとんでもないモラハラDV男と化す。
そして、他の女に走った。
彼がももB以外と長続きなんかするワケない。
あと1週間ズレていれば、全ての荷物を実家に送り、その後その女と3日持たなかった事なんて知る事もなかったのに…。
あの時は師匠に本当に心配かけたね。ごめんね。
結局女に見放され、ももBに泣きついてきたきくりん。
それでも何とか助けたいと思ったけど、やっぱり諦めた。
きくりんの家に近い所で探した仕事は、食品のパッケージ工場だった。
ももBにも、たまにツイてない仕事がある。
そこが、まさにそれ。
長期の予定だったけど、実家に帰る事になったので、仕方なく1ヶ月実家から通った。
そこは毎日色んな部署に回されるのだが、どうしても苦手な仕事があり、結局最後はその仕事しかなくなり、惜しくもあと3日という所でクビに。
悔しいので、3日分単発の仕事で稼ごうと思った。
そして、単発の仕事をくれる会社が見つかる。
実家に戻り、とにかくまずは仕事を探さないとなので、1週間毎日面接を入れた。
その中で1番受かりたかったのが、最後に受けた面接。
求人情報広告で、[50代60代活躍中]から探した。
電話で年齢を告げると、社長は言った。
「まだ若いじゃないですか。
うちは、70代までいますよ」。
実は、社長の方がももBより年下だったんだけどね。
夜勤が希望だと言うと、夜勤少ないからちょうどいい。
来週から来て、と、あっさり採用。
その会社に採用されたお蔭で、ひとしクンと知り合い、のちにケンケンと出逢う事になるのだが…。
そこから先は、また次のお手紙でね。
じゃね、師匠。
また手紙書くね。