すすすごいものを観てしまいました…。
なにしろ今日が初日なのでネタバレは出来ないですけども。
私はこの時期だし、チケット高いしで、すごく迷ったんですよ、観に行くか、それとも配信にしておくか…だって配信なら、一度観に行く分の金額で2回以上観にいかれるわけですし。
今回、「雨下の章」と「日和の章」に分かれているわけですし…。

でも、もし迷っている方がいるなら、私は声を大にして言いたい。
この作品は、絶対に一度は劇場で観た方がいい。
どんなに映りがよくても、どんなにスイッチングが巧みでも、映像は劇場には敵わない…!


音楽朗読劇『黑世界』雨下の章




最近ではすっかり舞台『刀剣乱舞』の演出・脚本で有名になった末満健一さんですが、実はそれ以前にいわゆる『TRUMP』シリーズでカリスマ的な人気を博していました。
私の認識では、元々はワタナベプロに所属する俳優集団「D-BOYS」(昔はD2というのもありましたよね!)のメンバーたちが出演する舞台「Dステ」での公演だった、と思うんですが。
それがどんどん人気になって、世界観が拡張し、女性ばかりで構成されるエピソードや、ミュージカル仕立てで描かれるお話なんかも出てきて、今となっては非常に大きな演目になっているのです。
それで、どういうお話なのかと聞かれると、簡潔に説明することが非常に難しいのですけれども、要するにこのシリーズは、吸血種(ヴァンパイア)と人間が混在する世界で展開しています。
吸血種というのは、要するに吸血鬼のことですけれども、彼らは我々が考えるような「不老不死の力を持った特別な存在」ではなく、人間と同様、普通に歳をとって、寿命になれば死んでしまう生物です。
さて、吸血種には、人でいうところの「思春期」がありまして、それを「繭期」と呼んでいるんです。
人が思春期にちょっと変になるように、吸血種たちも繭期の間は大変なことになります。人間の厨二病の比じゃないくらい。
それで、繭期真っ只中の若い吸血種達がトラブルを起こさないように教育する寄宿学校のようなものがこの世界にはあります。
そもそもの『TRUMP』シリーズは、そんな寄宿学校「クラン」の中で起こる出来事や、失った不老不死の力を取り戻そうとする欲望が引き起こした悲劇、そしてその連鎖を中心に描かれてきました。

今回はそんな大人気シリーズに、違う作家がエピソードを書き加える、ということで…これは要するに、公式の2次創作みたいなものなわけですよ!
それで、私の大好きな中屋敷さんが参加するというので、これは何がなんでも観なければ!ということになったわけです。
このコロナ禍で直前までどうなるか分からないなか、初日のチケットが取れて、無事に観て帰ってくることができて、私は本当に幸せ者です…(しみじみ)


さて、本当に簡潔に各話の感想をメモしたいと思います。
以下、末満さんが事前にTwitterで公開していた各話のタイトルと作者です。

■各話タイトル
①イデアの闖入者[作・末満健一]

リリウム観てればピンとくる。
とにかく主演の鞘師さんが可憐すぎてやばい。
イマジナリーフレンドな新良さんは、声が独特だけどそれがいい。歌がうまい。キャラが立ってる。
それにしても松岡さんってこんなにカッコ良かったんだ…あと声がいい。当たり前だけど歌がうまい。声量がすごい。

②ついでいくもの、こえていくこと[作・宮沢龍生]

下手だけど好きな話だった。
若い時から知っていたけど、大久保祥太郎くんがこんなに圧巻の演技をするとは、そしてこんなに歌も踊りも完璧だとは知らなかった。
とにかく圧倒されました。


③求めろ捧げろ待っていろ[作・中屋敷法仁]

何も知らずに観に行っても、これは中屋敷法仁作品だと分かるはず。笑
攻め攻めに攻めてて、私はとっても好きでした。
でも多分全体の流れの中では浮いてました。まさに繭期。笑
池岡くんがキレキレで素敵すぎてやられました。


④少女を映す鏡[作・末満健一]

ガン泣きしました。
こんなのも書けるのかよ末満御大…心があったかくなっちまったじゃねぇか…。
中尾ミエの圧倒的な演技と歌に私のハートはズタボロよ。
ちょっとしか出てこない大久保くん演じる若きヴァンプがいいとこ全部さらっていきましたが、とにかくめちゃくちゃ泣けました。
後方の席から嗚咽が聞こえてきて、分かるよこれは抑えられないよね…って気持ちになりました。


⑤馬車の日[作・降田天]

怖かったです…ものすごく怖かったです…。
そして締めがすごくよかったです。知性と品格の煌めきを感じました。
この作家さんの書く他の作品をぜひ観てみたいと思いました。
俳優も良かった…樹里さんの芝居、まじでめちゃくちゃ怖くてちびりそうでした。
そして宮川浩さんとのハーモニーに心が震えすぎました。

⑥枯れゆくウル[作・末満健一]

これぞこのシリーズ!という感じで、やはり締めはこうでなくちゃな、と思いました。
シリーズの産みの母である末満さんの、思想と志向がよく出ているんじゃないかなと思いました。
そして自分はなぜ「日和の章」のチケットを取らなかったのかと、まさになぜヒヨってしまったのかと自分を責めました。



本当に、迷っている方は、絶対に、まじで絶対に観に行った方がいいです!
私は残念ながら日和の方は配信で観ますが、まじめにチケット取らなかったことを後悔しました。
やはり芝居は劇場で観るのが一番!!














というわけで。
さぁ、みんなで黑世界を目撃しよう!
レッツ!繭期!!