「きょうね、ママがね、うえにいったりしたにいったりするやつでね、りおちゃんとたっちゃんはいかないのにね、ママはいっちゃうんだよ。」

と、さっき寝る前に龍紀が言いました。

なるほど。

昨日は熱にうなされて
悪夢を見たんだね。

これ↑は

「莉緒と龍紀を置いてきぼりにしてママがエレベーターにに乗っていっちゃう夢を
昨夜見た」

ということらしい。

昨夜、

義弟夫婦の新居に遊びに行った
帰りがけから
お腹を下し、熱を38.1度出し、
抱っこしてくれたパパの背中に嘔吐。

何度も夜中に起きつつ寝た龍紀。

完全にインフルっぽい症状で
一家全滅かと思われましたが

朝病院で検査してきたら陰性。

疲れから来る風邪だったっぽい。(笑)

お腹を下したのは
気温低いのに
夕方一気食いした
ガリガリ君イチゴ味のせい。

熱は風邪。

嘔吐は抱っこされたときに
担がれていたっぽくて、
胃がおもいっきり圧迫されてたから
っぽい。

そうかなーともおもいつつ
でもインフルだったら....と
ヒヤヒヤ

あー風邪で良かった！

でも熱があったのは可哀想だったな。

そんな怖い夢まで見たんだね。

龍紀には怖いものがたくさんある。

耳鼻科の鼻吸いだったり
内科のお口をあーんってするときに
口に入れられるヘラだったり

駅前のショッピングモールにある
見上げるほど巨大な恐竜の置物。

秋田のナマハゲ(の映像)←鬼の存在

あげればきりがないほど
怖いものはあるのに

「ママに置いていかれてしまうこと」が

「一番怖いこと」なんだね。

脳が無意識に見せたものだけど

それだけ龍紀の中の大きな部分を占めているのが私なんだと思ったら

嬉しいというか、
身が引き締まるというか。

エレベーター前で置いていかれちゃうのが
自分だけじゃなくて
そのシーンには
ちゃんと妹もいるって所に
兄妹だということをちゃんと理解している龍紀の心が見えて
微笑ましくなったり。

可愛い。
でも怖い夢見て可哀想だったね。

「大丈夫だよ。
たっちゃんとりおちゃんを置いて
ママはどっか行ったりしないからね。」と
ちゃんと言い聞かせた。

龍紀が
夢を見た、と
ちゃんと話したのは
はじめてかもしれない。

夢のストーリーを覚えていて
話せるようになったのも
成長だね。

すごいね！

風邪を引くと
心細さ、辛さから
悪夢を見るのは私もあった。

小さな頃から
20歳を越えてもあった。
しかも
全く同じ夢を見る。

真っ暗な広い場所で
私一人だけポツンとそこにいて、
正座で座ってる。
後ろには何かの文字が書いてある掛軸があって、
習字の道具と
真っ白な半紙が１枚置いてあって
それをただ見つめている私。

という風景を
俯瞰で見ているという夢。

不思議だった。
必ず同じ夢
同じシーン。

ちょっと前
実家で母に聞いた話の中に
この悪夢を紐解くヒントがあった。

私が2～3歳の頃
どうしてもアルバイトをしなければいけない時期があり、
夜、託児付きのアルバイト先に１日だけ行ったことがあるらしい。

でも託児付きと言っても
面倒を見てくれる人がいるわけでもなく
ただ奥まった押入れのような
狭い一室に子供を居させていいよ、というだけの託児だったらしい。

私は比較的大人しく
室内遊びが出来る子供だったので
そこに数時間居たらしい。

でも母はそこに私を閉じ込めて働くことに負い目を感じて
１日だけで辞めたらしい。

あともうひとつ。

その後母は化粧品の営業の仕事を始める。
やはり託児所があり、そこは広い託児施設があって保育士もいた。
でも預けられているのは私ただ一人で、
その部屋に入って「遊んでいいよ」と誰かに言われたのを覚えている。

すごく広くて大きなブロックのような
積み木があって
でもだれもいなくて。
どうやって遊んだらいいのか
わからなくて
立ち尽くしてた記憶がかすかにある。

きっと

私は心細くて怖かったんだと思う。

でも幼さゆえに
その「怖さ」がわからなくて
ただその置かれた状況だけが
心に焼き付いていて
風邪を引いて気持ちが不安定になると
その記憶が混ざって
悪夢になって出てきていたんだと思う。

そう考えると

「エレベーターでママが僕を置いていってしまう」

という龍紀の恐怖は
どこかで私が植え付けてしまった
恐怖なのかな。

もしかしたら
日常的にちょっとした事で使ってしまう

「ほら、早くーママ先にいっちゃうからね～バイバーイ」とか

「ママ先に帰るから！」とか

諦めさせるための「切り札」が
裏目に出ているんじゃないかな。

その場を何とかしたい母の瞬時の言葉が
子供の心をそこまで縛るのか。

夢のはなしは
嬉しい、可愛い、以上に

改めて日々の子供への応対を
考えさせられたのでした。

されて嫌だった事はしたくない

されたかった事はしてあげたい。

いつも
そう思ってるのにな。

まずは
置いていかれちゃう怖い夢を
見ないようにしてあげなきゃな。