大桃英樹の「それでも夢を見よう」 -205ページ目
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地域活性化とは?

退職をして、たくさんの方から心配をいただいている。

「これからどうするの?」

こう聞かれる度、僕は2つの答えを用意している。

一つは「主夫です!」と明るく答えること。

事実であるし、僕自身今の生活を心から楽しんでいる。

家族のために食事を作ったり、掃除、洗濯をすることがこんなにも

有意義に感じられるものとは思ってもみなかった。

主夫の視点から見えるもの、というのもとても面白い。

きっとこれからの僕の人生にとって大きな意味を持つことになると思う。

さて、「これからどうするの?」のもう一つの答え。

それは、「独立します。起業したいんです。」という答えである。

これも事実。もう組織に所属するつもりはない。

自分の時間と空間を使って何かを創り上げて行きたい。

自分の未来は自分の力で作る。自分たちの未来は自分たちの手で築き上げていくのだ。

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「起業したい」の僕の返答に対する反応はさまざま。

が、最近気になる返答が多い。

それは、「起業したら、僕(私)を使ってね!」的なものだ。

南会津は産業が少ない。人口減少も著しい。

世間では「地域活性」が声高に叫ばれているが、果たして地域活性とはどんな状態だろう?

みんなが生きがいを持って笑顔で生きること?

言葉で言うことは簡単だ。生きがいとはなんだろう。

これまで地域を盛り上げるため、さまざまなイベントや事業に関わってきた。

しかし、それはどれも定着していないし、一瞬の花火だった。

地域活性とは・・・やはり、地域経済を創り上げることではないか。

しっかりした生業があってこそ、未来を見ることができる。

未来が見えるから、自分や家族、地域に投資をすることができる。

生きがいとは、地域活性とはそういうものではないだろうか。

だから!

僕は起業する。

龍馬

退職を決心しようとしている時、司馬遼太郎著「竜馬がゆく」に出会った。

長い鎖国から明治維新への変遷期に活躍した龍馬。

どんな自分物だったのか、知りたかった。歴史に登場してくる偉人とて人間。

どんな歴史的背景やその当時の風潮の中で、どんなことを考え、行動したのか知りたかった。

読んでみると、幼少期から青年時代の龍馬には、イメージしていた強さはなかった。

幼少の頃は泣き虫で、おねしょもよくした。いじめられもした。

江戸・千葉道場へ剣術の修行へ赴き、師範になったにもかかわらず、

その腕前で生計を立てようとはしない。

「何か違う」

「まだ、自分が動く時ではない」

そう感じていた。

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龍馬はこのあと、勝海舟という彼が心から求めていた師に出会い、

人生を加速させた。しかし、それまでの龍馬は決して焦ることなく、

尊皇攘夷や開国論という時代の波に飲み込まれることなく、

自分の道を貫いた。結果的には明治の新しい時代をめにすることなく

暗殺されてしまうのだが、龍馬が残した功績はとても大きい。

「何か違う」「まだ、自分が動く時ではない」

退職するか留まるかに悩んでいた僕はそのとき、この感覚を大切にしたいと思った。

龍馬に出会っていなければきっと今の自分はないとさえ思う。

焦ることなく、歴史を学び、時代を読み、自分を高める。

仕事を辞め、こうして本を読み、人と語り、自分を高める時間を持てることに

幸せを感じる。退職に反対もせず、応援してくれた家族、

退職後も変わらず付き合っていただける友人やパートナーの皆さん。

本当に感謝。

これからも焦ることなく自分を見つめ、南会津発の事業を立ち上げ、

志を形に出来るよう、準備していきたい。


追伸

龍馬が生き抜いた高知や神戸、長崎を今年中に訪れたいなぁ船

はじまりのはじまり。

退職から約2ヶ月。あっと言う間のような、長かったような、それでも2ヶ月は2ヶ月。

時間は過ぎて行く。

時に、場所や空間に、そして人の心に己を刻んでいくこと。

「自分自身」とは、とても危うく、長い歴史にとってはとても小さな存在だからこそ、

何かに自分を刻んで行けたら、と思う。

「はじめに言葉ありき」とは聖書の始まりのことば。

きっと人生とはジェットコースターのようなものだから、

きっと人生とは自分探しの旅のようなものだから、

言葉と想いを刻んで行きたい。

はじまりのことば。

さあ、はじまりはじまり走る人
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