これは
モデルのいない
小説です
ブログタイトルとは
関係ありません
知人は
夕方
ある官公庁の駐車場に
来ていた
一人の
スーツの男が近づいてくる
「…珍しい」
車の鍵を開ける
ウインカーが点滅する
「メールしたの
お前だろ」
ドアを開ける手が止まる
ゆっくりこちらを見る
「…何の事だ?」
沸々と静かに
怒りがこみ上げる
「彼に飲み会の写真
送ったんだろ」
「訳が分からないな
急ぐんで」
ドアを開けようとする
肩を抑える
「役人の肩書きで
アドレス聞き出してただろ
何であんなこと
したんだよ!」
知人の手をはね除け
吐き捨てる
「お前が気に入らないんだよ」
睨み付ける
「学生時代から
チャラいくせに
人気だけはあったよな?
女はとっかえひっかえ
遊びたい放題で
今度は宗旨替えか?
ちょっと声かけたら
有名人も飲み会に呼べるんだぜ?
気に入らないね」
「な…ん」
そんな
そんな理由で
彼を傷つけたっていうのか
「それにしても
あのキレイな顔が
写ってないのは
残念だったな
男に興味はなかったが
かなり
そそられたよ
ネットに流せば
ちょっとした
スキャンダルだったのに」
思わず胸ぐらを
掴む
「で?
ちゃんと誤解してくれた?
それとも
ヤられちゃうとこ
助けてやったんだぜ
って
恩売って
イイコトしちゃった?」
手首を捕まれ
無理やり
離される
「お前
疫病神なんじゃないの?」
車が走り去る
疫病神
なんじゃないの
雨が
降りだした
知人は
動けずに
ただ
濡れていた
初出:2015年03月01日
役人の
ヤツが
彼を語るのが
妙に高揚してしまいました
お話を作るというより
場景を
ただ書き留めていた
感じの頃でした