![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160321/20/momojirisankyu/38/6d/j/o0528096013598303572.jpg?caw=800)
吐く息が白い
背中に彼の体温を感じる
細いが
しっかりしたからだ
手の甲に柔らかな感触
あんな
あんなこと
されるなんて
無防備にも
程がある
目を射る
白い胸
もしかして
彼から見れば
自分も
奴等とおんなじ
おんなじ…
彼の家に着く
インターフォンを押すと
彼の母親がドアを開けた
「すみません。
彼に飲ませてしまって
少しだったんですが
寝てしまいました」
「まあ。ごめんなさいね
…ついでと言っては
申し訳ないんですが
部屋までお願いしても
いいですか?」
確かに
女性では
2階までは
無理だろう
母親について
階段を昇る
ドアを開けて促される
毛布がめくられ
彼を下ろす
電話が鳴った
「ちょっとごめんなさいね」
足早に降りていく
電話で話す声がする
毛布を掛けながら
寝顔を見る
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160321/20/momojirisankyu/29/37/j/o0800094013598303587.jpg?caw=800)
ちいさな寝息
ふっくらした顎
つるつるした鼻梁
うっすら開いた
唇が動く
「・・・
どうして…?」
一筋の
涙が伝う
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160321/20/momojirisankyu/6b/73/j/o0800085813598303607.jpg?caw=800)
髪の毛に
吸い込まれる
寝言…
あの人の
名なのか
知人は
ドアを閉めた
電話中の母親に目礼して
靴を履く
「ちょっとごめんなさい
あ、ありがとうございました」
深くお辞儀をして
玄関から出る
夜気が
頭を冷やす
拳を
街路樹に
叩きつけた
初出:2015年02月26日
なんだか
知人に感情移入している
自分がいました
どれだけ想っても
決して届くことない
想い
しかし
今
彼は第六感で
会場にいない
彼のことを想い
手を組み合わせて
応援する
私たちの想いを
感じてくれています
あの頃の私に
彼は
ちゃんと受け取ってくれてるよ
って
言ってあげたいな
※お話に固有名詞は出てきません
コメに固有名詞入れていらしたときは
削除させていただきます。
申し訳ありません。