法医学者の悩み事II

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神奈川のコロナ宿泊療養施設で50代男性死亡 死因は不明
12/12(土) 毎日新聞

神奈川県は12日、新型コロナウイルスに感染し、軽症と診断されて宿泊療養施設で療養していた県内の50代男性が11日に死亡したと発表した。死因は不明だが、県は健康観察のあり方に問題がなかったか検証する。

 県によると、男性は4日に発熱などの症状が表れ、8日に陽性と判明。軽症と診断され、9日から軽症・無症状者向けの宿泊療養施設で療養していた。

 県は療養中の感染者に対して、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って健康観察をしており、男性は11日午前8時に体温が37・8度で頭痛や体のだるさがあることを入力。その後、電話でも報告した。血液の酸素濃度も医師の診察が必要となる基準に達していた。

 同日午後3時の健康観察では男性から報告がなく、午後4時以降に部屋と携帯電話に計6回電話をしたがつながらなかった。看護師らが午後8時ごろ部屋を訪れたところ、ベッドの上にあおむけで心肺停止となっている男性を発見。搬送先の病院で死亡が確認された。基礎疾患はなく、死因は不明という。

 県によると宿泊療養施設で感染者が死亡したのは初めて。県の篠原仙一・医療危機対策本部室室長は「どういう状況だったかしっかりと確認したうえで、自宅療養や宿泊療養施設での健康観察のあり方について改めて点検していく必要がある」と話した。【木下翔太郎】

 

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心筋梗塞で死亡した可能性はないのだろうか。法医学では基礎疾患がないにもかかわらず、心筋梗塞で突然死亡する方も時々いらっしゃる。

このような事例は、CTや解剖、血液検査、薬物検査なども実施したうえで、しっかり死因を特定しなければ、今後自治体や政府として誤った対応の原因となっていきかねない。結果的に莫大な予算の無駄遣いにもつながりえることもある。

しかし、日本ではコロナ陽性の方が亡くなった場合、地域によっては解剖してくれる設備もない状況にある。東京都監察医務院でさえ、コロナ陽性だの場合、従業員保護の観点から解剖しない方針であると聞いている。神奈川がどんな状況なのかわからないが、解剖もせずに、いい加減に急性気管支肺炎などとするとすれば、問題だろう。