親不在で楽しい夏休みのはずだった・・・
しかしそう単純明快にはいかなかった。
そこが長崎だったからだ。
お婆さんの戦争の話をきき、原爆の莫大な力に虚しさを覚える。
戦争が始まれば、殺し合いが日常なのだ・・・
そこでは誰も理性など持たない。
身の丈も知らず戦争に参加した時点であらゆる権利を捨てたのだ。
町が焼かれても、子供が焼け焦げて死んでも想定内なのだ。
孫たちは原爆投下の地点に行き、祖父と日本の死を感じた。
優しくて大好きなお婆さんの内に潜む傷はいくばくだろう・・。
誰もそれを察することはできなかった。
お婆さんの内側は今も焼けただれて、あの日に取り憑かれている。
黒澤監督の絵はさすがの迫力を感じる。