かーちゃんが大声で話す。とーちゃんにいちいち文句を言う。
「ホントに聞こえないんだから!!」

┐( ̄ヘ ̄)┌  何のことはない。

とーちゃんは聞こえないふりしている。これは特技といっていい。
テレビの音も、電話も通常の大きさで聞こえているのに、
会話の時だけ(おもにかーちゃんの話)聞こえないのは、いくらなんでも不自然だろう。

私がイラッときて「聞こえないふりしやがって・・・」とつぶやいたら
そっぽを向きながらニヤリと笑うとーちゃんがいた。ほんとのところ、かーちゃんの大声は聞こえているのだよ。
返事をするのが面倒なのか、かーちゃんが面倒なのかは定かではないが・・・
おそらくは、かーちゃんがうるさいから

しかし、聞こえないふりをすることで問題の回避を狙うとーちゃんなのだが、
すぐに返事をしないことで、ますますかーちゃんがうるさく言うという悪循環に陥っていると思う。

そこで私が、かーちゃんに「あんまりうるさく言うな」とねちねち文句を垂れると
かーちゃんの必殺技、都合が悪くなると話題を変えるという作戦に出る。
どんなに不自然でも、平気でテレビの子役が可愛いとか言っちゃうのだ。力技である。
(゙ `-´)/ ムカつくが呆れる

そして私は、実家に帰るたびに
「ふうん」という、聞いてはいないが返事する特技を身に付けた。

つまるところ、とーちゃんも、かーちゃんも、自分がしゃべれば気が済むのである。
家族団らんには秘訣があるのである。