ブラブラと当てもなく車を走らせてたどり着いた南港

 

ちょっと車を降りて歩いたら 轟音・爆音

 

今はもう無いけれど スリックカートだった

 

滑ってドリフトして 観てるだけでも楽しかった

 

どれくらい過ぎたのだろう 11月の終わりか12月の初めの風は冷たくて

 

寒いあなぁ~~と思っていたら 彼が後ろから体を包んでくれた

 

背中が暖かかった 嬉しかった 

 

 

 

 

彼は自販機のコーヒーを買ったら 私に差し出す前に必ず決まって

 

自分のハンカチで飲み口を拭いてくれる

 

ホットの時は猫舌の私の為に缶を振って適温まで冷ましてくれる

 

1本を飲みきれない私の適量を見計らって“残りを貰って良い?”と言ってくれる

 

 

この頃にセルラーホンを持った彼

 

お母さんの体調が思わしくなく 緊急連絡用にと契約したらしい

 

私は営業の管理マネージャーだったので 残業も多かった

 

彼はキッチリ終われる公務員

 

度々 待ち合わせの時間に遅れる私

 

大幅に遅れる時はセルラーホンに電話

 

その度に彼は言ってくれた

 

“大丈夫、ここに居るから ずっと居るから ゆっくり仕事してきて”

 

彼が突然旅立ってから

 

初めての夢で言ってくれた あの言葉は

 

この頃から何度も聞いた言葉だった

 

 

 

今、こうして思い出を書いていると

私は なんて幸せ者だったのか

それを一緒にいる間になんでもっと気が付かなかったのか?

あなたのさりげなさが当たり前になっていた私は

大バカ者だ

こんなに幸せだった24年と6か月

やり直せるなら と 今更ながらに後悔しています