デート というよりも お喋りタイム??
いつも私の車カローラEDでドライブしてたよね
ドライブのお供 あの頃は確かカセットテープだったように覚えてる
私の好きなジャンルでフォーク系ばかり
ある日 再生が壊れて音が出なくなったカーオーディオ
仕方なくラジオを流していたら大好きな洋楽が・・・
“この曲 大好きなのよ 多分 中学生の頃から”
“オーディオ、修理するか買い替えるかしないと車と音楽は切り離せない”
“もっといい音で聴きたいけど今は車で聴くしかないのよね”
そんな私の呟きを聞いた彼は
“今から大阪市内の僕の実家に行ってくれる???”
市内?? 良いけど・・・ 実家??
今まで送っていた家は叔母さんの家だったそうで
職場に近いし 高齢の叔母さんのお世話も兼ねて同居していたらしい
道のりを聞いて あれ?? えぇ?? 私の中で何か訳のわからない予感があった
初めて行く彼の実家は お世辞にも新しいとは言えない小さなお家
2階の彼の部屋に入って ビックリ!!!!
およそ家には似つかわしくない オーディオとスピーカー
流れてきたのは大好き!と私が言ったあの曲
ニルソンのWithout You ぅわぁ~~~なんと良い音
車や私の安物のラジカセでは聴き取れない繊細で響きのある音
そして彼のレコードやCDのコレクションは私にピッタリとハマった
質の良いアンプとスピーカーで聴く好きな洋楽
聴き惚れている私の顔を観ながら彼は喋っていた
“この家は古くて狭いから リビングにこのオーディオとスピーカーが置ける家を
買おうと思ってる だから、そこでいつでも聴けば良いやん”
あ~~家買うのね 聴きに行っても良いの???
彼の遠回しなプロポーズはまたも撃沈 私はなんて鈍感だったのか(笑)
それよりも 私の頭の中には幼い頃の記憶が蘇ってきて
“私 母に連れられて小さい頃にこの街に来た事があるわ”
“駅前に夜店が出てなかった??確か5のつく日”
“あったよ、僕が大学の頃までは・・・”
それからあの角を曲がった所に美味しいケーキ屋さんがあって
私の父が時々お土産で買ってきてくれていた とか
大きな公園にはボートがあったとか 共通する話がドンドン出てきた
縁もゆかりもないと思っていた間違い電話から始まった人とは
ひょっとしたらずっと前から赤い糸で繋がっていたのかと思った日