重松 清
見張り塔からずっと

最近、どうにも重松清にはまってしまって抜け出せない、というか抜け出したくないmomoです。


これは3つの中編からなっていて、全部家族についてのお話です。


<カラス>

怖かった・・・。

団地のなかでのいじめって、子供のいじめより陰湿かも。

というか、奥さんがいじめに加わってるのをみて「なまめかしい」と思う主人公が怖かった。


<扉を開けて>

「阿弥陀堂だより」のように、精神のバランスを崩してしまった妻を支えている夫が主人公。

ラスト5ページくらいで、

「いや最初から独りぼっちだったんだ」

というところで、やばい泣く、と思って教室を出ました。

でも、ほろっと泣いたあと、そのままにさせないところが、いやはやなんともにくい。。。

ラストはやっぱり、怖かったです。


<陽だまりの猫>

自分を≪みどりさん≫と呼んで客観視してる、若い主婦のお話。

なんか、その気持ちなんとなくわかる気がした。

自分を客観的にみていることで、必要以上に傷つかないと思ったり。

でもそんなことないんだよね。


結婚したら、男の人ってだんだん奥さんのこと女として見なくなるのかな・・・。

そんな寂しい気分にもさせられた一冊でした。


最近落ち込んだりする時間が多くて、自分の中の深い闇、みたいなことを考えていたけれど、人間のもつ心の闇なんて、もっとずっと深いものなのかもしれない、って思った。

自分なんてまだまだだって。


なんだか、そう思ったら、落ち込んでる自分に酔ってなんかいないで、無理にでも明るくしなきゃって思いました。

どこまでできるかわからないけど。

でも、今より楽しい毎日になるはず。