ゾワゾワアセアセしながら一気に読みました…


森に眠る魚  /  角田光代
あれ、角田光代さんこんな作品あったんだー。
読んだことないなー
と何気なく手に取りました。


あらすじはこちら下矢印(文庫裏より)


ほうほぅ、ママ友の話なのねニコ


と、呑気に読み始めたのですが…


小学校お受験の話です。


そして
解説を読んで知ったのですが、これは

1999年のお受験殺人事件

をモチーフに書かれた作品でした。



作中で、章タイトルが「199×年、○月」

と具体的な日時で進んでいくので

年代を指定するって
珍しいなーと思っていたのですが、

なるほど、そういう訳だったのねうーん


実は私はこの事件、記憶になくて…アセアセ

若くて遊びまくってた時だからね、
世間のニュースにも興味が無かったと思われる昇天


なので、なんの先入観もなく、

小説の世界に没頭してしまいましたよ。



こちらはあらすじにもあるように

登場人物は5人の母親。


正確には4人組のママ友グループと

その中の1人と同じマンションで
その4人組とも絡んでくる別のママが1人。
(既に受験を終えている先輩ママポジション)


4人組のうち、3人は子供が同じ学年で

同じ幼稚園に通わせています。


小説では幼稚園へ願書を出す場面から始まり

無事、合格して入園。


その後、仲良しママ友グループとして
何の問題もなく楽しく過ごしていた4人組。


それが年少から年中…年長と
年を重ねていくにつれ

お受験が全ての歯車を狂わせていく…


その描写がね…

もう…

さすがです角田先生…!!

不安  と感嘆するのみ!

 



ママ友って、


・子どもがたまたま同い年や歳が近いから

・近所だから

・同じ幼稚園や保育園だから



っていう子どもの共通点だけで



それまでのママ本人

生育歴とか

年齢とか

経済状況とかは

関係ないお付き合いじゃないですか…


学生時代だったら絶対別のグループだわ

って人でも  
そもそも学校のレベルが別次元だったりもして


ママ友(特に乳児〜幼児期)としてだと

なぜか「友」になってしまう。


その辺りの差(経済レベルや性格)が

実は最初の方からも

さり気なく描写されているし


受験を意識しだしてからの

微妙に歯車が狂っていく過程の描写が


秀逸すぎ

めっちゃ細やかで、かつ鮮やか…!
ちなみにお受験そのものがどーのこーの
という話ではなく、お受験が絡むと
人はどうなってしまうのか、という特殊な心境の変化や
ママ友という特殊な関係に焦点をあてたドラマです。


更に

基本的にはずっと

各キャラクターの名前が主語で

誰がどうした、って
分かりやすく書かれているんだけど

最終章の前だけは

「彼女は」

って三人称で書かれている部分があって…



そこが

めちゃくちゃ怖いんだよ…ゲッソリ



息をもつかせぬ緊張感がすごい…

ここはもう、ホントに実際の事件を
映像で見ているかのような
まるで、音声なしの回想シーンが
スローモーションで流れているような
圧巻の表現!

そして

そこに至るまでの

受験の影響で、それぞれが
徐々に壊れていく描写は


もはや
ホラー…滝汗


ひいいいいい笑い泣きアセアセアセアセアセアセ

こんな怖い話だとは予想外だったよ!



あまりにもリアルで

人がおかしくなる時って

こうゆう風に壊れていくんだ…

ってのが

リアル、かつ具合的すぎて
怖すぎぃ…ガーン


しかもそれが、全くの他人事ではなくて

いつ自分もそうなってもおかしくないような

感情の変化が……分かってしまうのが

また怖い…



私の住んでいる地方都市は

小学校受験も

中学受験も

あるにはあるけど、首都圏の比ではない。
そして私はどちらにも参戦予定なし!


でも、長く東京に住んでいたので
わりと具体的にイメージはできます…
実際に参戦してる友達もいたし。



あー地方で良かった…
ε-(´∀`;)ホッ

ってなりました泣き笑いw



「自分のこと」  よりも

「自分の子供のこと」

になると、
また一筋縄ではいかないんだよねぇ…
「母親」って昇天



もちろん、角田作品なので

最後は分かりやすいハッピーエンドでは
ないけれど

ちゃんと救いはありますのでご安心を泣き笑い


5人の登場人物を設定したことで

闇も分散されていますし笑


ママ友の闇

お受験の闇



を追体験してみたい方はぜひ!泣き笑い泣き笑い

な1冊です。


タイトルの意味もね…

読んでから考えると

なかなかに残酷です驚き