ポール・オースター, 柴田 元幸, Paul Auster - 幽霊たち
「まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、
そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。」
本屋さんでこの本を手にとり、冒頭の何文かを読んだだけで、即購入しました。
で、そのままの勢いで読了。薄い本なので読み終わるのにそう時間はかからない、
でも、いつまでもその意味を考え続けてしまうという一冊です。
体裁としては「探偵小説」というのでしょうか、探偵であるブルーがホワイトという
人物から、ブラックという人物の見張りを依頼されるところから話が始まります。
ネタバレになってしまうので、ストーリーについてはあまり細かく触れませんが、
これ以上の事件らしい事件が起こるわけではありません。シチュエーションは
現実的なのですが、ストーリーはとても抽象的。結論めいたものが出るわけでも、
事件が解決するわけでもない。でも、どんどん引き込まれて行く。
こればかりは、一度読んでその作品世界を体験してみて下さい、としか言いようが
ありません。薄くて安い文庫本ですから、ぜひ。私は永久保存版として、ハード
カバーを買っちゃいましたけどね。彼の他の本も全部読んじゃいました。今後、
当Blogに登場することになると思います。
著者のポール・オースターさん、とてもかっこいい方です ![]()


