マミーのお客様の中にも犬や猫などのペットを飼っていらっしゃる方が多いかと思いますが、
ペットのいるおうちでアロマテラピーを安全に行うにはどうしたらよいでしょうか
まずは、アロマテラピーが人間の心身に作用するときの仕組みから考えていきます。
アロマテラピーにおいて個々の精油の持ついい作用を利用したい場合は、
①嗅覚刺激から脳へ信号となって伝わるルート(神経ルート)
②吸い込んだ香り成分が肺の中の血管から入り、全身へ伝わるルート(極々微量です)
③希釈したトリートメントオイルにより皮膚にある血管から入り、全身へ伝わるルート(血管ルート)
があります。
まず①の点から、おうちで芳香浴としてアロマを使っていらっしゃる際のペットへの影響を考えてみます。
おうちのリビングなどでアロマを焚いていると①の神経ルートでペットの鼻からも脳へ信号が伝わります。
わたしたちはイヤな香りだったり濃かったりしますと「臭い」と言ったり、ディフューザーを止めたりできますが、ペットは話せませんし、ディフューザーを止められません。
ヒトよりも嗅覚がいいので大変ですね
そのため、我慢して鼻水がでたり、ぐるぐるまわったり異常行動を起こして知らせてくれます。
飼い主さんが気を付ける点は、ペットと芳香浴を楽しむ際には精油を控えめに使用してペットの様子をみたり、濃度が濃くなりすぎないよう時々部屋の換気を行います。
ペットがいつもと違う行動をとっていたらSOSだと思って使用を中止しましょう。
特にいつも通り過ごされている場合には、飼い主と同じくアロマテラピーを楽しんでくれているかもしれません
②の点も主に芳香浴の際に影響が考えられますが、ヒトにとってもペットにとっても影響は微量です。
上記の①と同じく、芳香浴を楽しむ際には精油を控えめに使用しペットの様子をみたり、時々部屋の換気を行うようにしてください。
ただ、ペットは自分の皮膚をなめたりしますので、皮膚に香り成分が付着していると、ヒトが精油を飲用したときのように「胃の血管」から入り、全身へ伝わるルートでの影響が危惧されます。
その影響については以下の③と合わせて説明していきます。
③血管ルートは、ヒトでいうとアロマトリートメントやアロマコスメを使用する際の影響についてです。
犬なのか猫なのか鳥なのかペットによって、また個体によっても体の大きさの違いがあり、それぞれアロマを代謝する機能も異なります。
どの精油は猫には危険などペットアロマテラピーについて勉強された方以外は、基本的には②の胃から、また③のルートでペットの体に入らないようにするのが最も安全です。
安全な精油を使用する場合は1%以下に希釈し、短期間施術するということもありますが、
ヒトと同じく精油原液を塗布することは絶対にお避けください。
原液を使う場合は、①のような芳香浴か、ペットが身につけている洋服やバンダナなどにつけ、ペットの体に直接つけないようにしてください。
精油ではなりませんが同じく天然の植物の香りが微量溶けていて赤ちゃんもペットも安全に使えるものとしては、フローラルウォーター(芳香蒸留水)があります。
そちらはペットによっては原液または少し水で薄めて直接使っていただけますのでご利用ください
先日、イギリスのアロマテラピーのパイオニアであるロバート・ティスランド先生が「猫にエッセンシャルオイルは安全か」についてまとめてくださったので、ご紹介いたします。
この中で、ノミの治療とさらなる感染を防ぐ目的で3匹の猫の皮膚に「ティートリー精油」を塗布し過剰摂取させた話が出てきます。
その日のうちに1匹の猫は低体温で協調運動不能となり、立つことが出来なくなりました。
もう1匹は重度の低体温と脱水症状で昏睡状態になり、最後の1匹は震えてふらふらしていた状態になりました。
集中治療の結果、2匹は回復し、1匹は亡くなりました。
一部の団体では、ペットに直接アロマをかけることをすすめている方々もいらっしゃいますが、
こういった事例や、精油が化学的にみると劇物にあたる有機化合物の集合体であることに照らして、賢明なアロマのご使用方法をお願いいたします。
以下、ペットに対してマミーでオススメしているアロマテラピーの方法をお伝えいたします。
アロマは「芳香浴」中心で、
ペットへのブラッシングはフローラルウォーターで行うこと
店頭にも同様の注意書きをしてあります。
ご質問がございましたらスタッフまでお申しつけくださいませ
昨年ご縁があり、ペットに対するアロマテラピーをお伝えする機会がありました。
Honda ASOBI BASEでのオンラインセミナー「ワンコにも安心!虫よけアロマスプレーをつくってみよう!」より
今年の5月もワンコの飼い主向けの講座を恵比寿のペットカフェさんで行う予定です。
ペットも飼い主さんも、安全に、アロマで癒されるといいなと思います
マミー講師/アロマテラピーインストラクター
片見 まき