うつ状態が重症クラスになると「だるい」「疲労感」を通り越して「鉛様倦怠感」というのが生じる。

「鉛様倦怠感」(以下=鉛倦怠感と略)は精神医学テキストにもちゃんと書かれてある正式用語で、重症のうつ病患者、躁うつ病の重症の鬱において発生する患者がいる。


私はその患者の一人で、鉛倦怠感は、まさに文字通り「鉛」で肩に一日中40キロの鉛で埋め込まれて続けているかのような本当に地獄の生き地獄の極みの過酷な苦しい症状である。


私の場合、鬱の時はもちろん、躁になってもこの生き地獄の「鉛倦怠感」は緩むことも消えることも一度もなかった。


「鉛倦怠感」の生き地獄の苦しみは、胸に驚愕するほどのズッシーンと生じる鬱の塊の苦しみのさらに上を行く最大の苦しみだった。


私はこの生き地獄の「鉛倦怠感」が18年消えることがなく続き、2020年にラツーダを飲んで鬱が劇的に回復されるまでその「鉛倦怠感」に苦しみ続けた。


しかも15回に渡って閉鎖病棟に入院をしたが、重症クラスの鬱の患者に出会えたのはたったの2人で、その出会えた重症の鬱の2人とも何故か「鉛倦怠感」は生じておらず「だるい」とか「肩が凝る」とは言っているものの「鉛倦怠感が生き地獄で、鬱の苦しみのさらに上をいくもので、倦怠感が本当に過酷で苦しくて死にたい」のレベルにまでなっている患者には残念ながら誰一人出会えなかった。出会った重症の鬱の2人の患者のうちの1人の男性患者は、朝起きた瞬間に病院内で大きく泣きながら「鬱が辛い!鬱が辛い!鬱が辛い!」と錯乱状態になっていて、その姿を見て「あ…あの人も私と同じように起床時のあの激鬱一発ドンを喰らって錯乱している、私と同じだ、仲間がいる」と思った。男性が泣くくらいだから、重症の鬱というのは恐ろしい。でも鉛倦怠感はその重度の鬱の苦しみのさらに上を行く生き地獄なのである。



どうなるのか。
普通の疲労感と何が違うのか。

まず、症状の出現の仕方、体に感じる「体感」の種類そのものが普通の疲労感とは全くもって異なる。

普通の疲労感は「鉛」を伴わない。ただ単に「はあ…疲れたなあ…もう疲れてダメだ」となるだけである。休めば消える。

ところが「鉛倦怠感」は肩に埋め込まれた40キロの鉛が、患者に生き地獄の苦しみを延々と与え続ける。拷問と言える。朝起きた瞬間からそれを喰らう。


頭が痛いという症状を経験したことがない人に「頭が痛い」という症状がどんな症状なのか分からないように「鉛倦怠感」も経験した人じゃないとその恐ろしい苦しみは分からない。


でも私がどうなったのかの一例をここに書いておく。


私は「鉛倦怠感」の生き地獄がある中、ボランティアでお年寄りの会の歌の時のピアノの伴奏の仕事をしていた。これは7年間やっていた。


いつも作った昼食をみんなで食べた後、午後1時から40分近く私の伴奏とともにみんな歌を歌って楽しむ。


「鉛倦怠感」に苦しんでいる私は、まず昼食を急いで詰め込んで無理やり食べた後、1階に降りて車椅子用の広いトイレに駆込み、あまりの倦怠感の苦しみに耐えられず、トイレの床に上にバタっと倒れ込んで潰れる時間を20分作っていた。自分のピアノの伴奏の前までの20分間、ずっとトイレの床の上を「倒れ込む場所」にしていた。みんなが見ていないところ、バレないところはそこしかなかった。


そしてトイレの床で20分潰れ続けた後、根性でなんとか立ち上がって這々の体でみんなのいる2階に行き、無理やり笑顔を作って明るい素振りを装ってピアノの伴奏をしていた。昼食を詰め込んで急いで食べて、トイレの床の上に倒れる時間をあえて作らない限り、立っているのが困難になる地獄の苦しみだった。そういう生活がボランティアで7年間毎日続き、生き地獄の「鉛倦怠感」の地獄は18年間に渡って私を苦しめた。


「重症の鬱の苦しみのさらに上をいく最大の生き地獄」、それが「鉛倦怠感」である。生き地獄の極みの極みの極みの頂点。


最近、私は2016年〜2024年現在に至るまでの自分の病歴を振り返った。


振り返って最初に思ったことは「死んでいておかしくない」だった。今、よく生きてるな、と生き残ったことを不思議に思った。


最後の超スーパー鬱に転落した2020年の秋の時、「これが入院で治らなかったら自殺を今度こそ決行しよう」と思って、主治医に内緒で、家の自分の部屋のドアの鍵を、専用の鍵がないと外から絶対に開けられないセキュリティ性の高い頑丈な鍵に変える工事を行なった。それまでのドアは内側から鍵をかけても10円玉ですぐに開けられるチャチな鍵だった。確実に死ぬにはまず外から絶対に開けられないようにすることだと思った。

そして溜め込んでいたコントミン+フェノバルビタール合計200錠で販売中止のベゲタミンAを作って、それを一気に飲んで窒息死の決行を考えていた。

もしそれで死ねなかったら、イソミタール、もしくはウッドのブロムワレリル尿素での自殺決行を本気で考えていた。


ところが、2020年秋に入院し、ラツーダで激鬱が払拭され、しかも鉛倦怠感も払拭、易変性までもが払拭されて、奇跡の回復劇が起きた。そしてその後、コンサータによる鬱症状の悪化が3年続いたあと、コンサータを手放し、回復した今現在がある。


あと「心が賑やかで煩い」躁でも鬱でも「常に心の中で誰かにおしゃべりをし続けていて心のおしゃべりが一日ずっと止まらない」というストラテラを飲んで以後の謎の症状までをもラツーダは完全に消し去った。


鉛倦怠感と疲労感の違い、ここに書いた内容だけでは伝わらないかもしれないけど、書かないよりかは…と思い、書いた次第である。


最近、作っているのはバック。そろそろ出品の再開を考えている。






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