母のゆるゆる食道がんライフ

母のゆるゆる食道がんライフ

食道がん・ステージⅣを克服する気のあまりない母の様子と、
娘(私)の思い。
がんと真摯に向き合う方の参考にはならないかも。。。

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土曜日、四十九日の法要と納骨を済ませた。
母の体調不良から始まり、
義母の死去、母の闘病から死去、葬儀と立て続けに大きなことがあり、
ようやくひと段落ついた気がする。

母の死から納骨までは、夏休みなのに出かける気にもならず、
死亡による手続きをしながら静かに過ごした。
そんなに辛いと感じなかったものの、
心療内科の定期診察で、
中途覚醒ややる気のなさ、食欲が旺盛だと話すと
「鬱の一歩手前だね」
と言われた。

日中は息子もいるので普段どおりの生活をしていたが、
夜になると必ず母のことを考えた。
でも、気持ちは日によって違った。
看取れなかったことへの後悔、
闘病生活中の苛立ち、
アダルトチルドレンとして苦しんだ怒り…。
最初はネガティヴな感情が大きかった。

そのうち、悲しみが募るようになった。
その波が押し寄せたのは、息子がキャンプに行った日の夜だった。
悲しくて悲しくて号泣した。
でも、泣いているうちにふと思った。

私とママは仲良しだったな。

同居してからはぶつかることが増えたし、
発病してからはそれが悪化してしまったけれど、
結婚から同居まで、私と母は上手くやっていた。
しばらく実家の近くに住んでいたので、
何かしらで毎日のように会っていた。
少し遠くへ越してからも、しょっちゅう電話していた。
長い休みには実家へ泊まりに行った。

結婚前だって、楽しいことも多かった。
祖父母が寝ると、母と弟と3人でよく夜食を食べた。
母の部屋でテレビを見ながらくだらない話をした。
犬を飼い始めてからは、犬を中心に笑顔が増えた。

その頃のことを、久しぶりに思い出した。
泣き止んだ時、負の感情から解放された気がした。
怒りや憎しみはもういい。
これからは、楽しかったことだけ抱えていこう、と。

その日から、母が「毒親」ではなくなり、
私も「アダルトチルドレン」ではなくなった。
普通の、「色々あるけど母と娘」になれた。

本当は、母が生きているうちにこうなれれば良かったのかもしれない。
でも、これからも生き続ける私にとっては、決して遅くはない。

そんな気持ちで迎えた四十九日の法要では、自然と涙が溢れた。
母は四十九日かけて仏様になるとのことだけれど、
私もその時間で普通の娘になった。
葬儀の時にはできなかったけれど、
しっかりと母の死を受け止めて、気持ち良くお別れができた。

まだしばらくは、気持ちが揺れると思うけれど、
今日現在はこんな状態だ。