ここのところ…映画日記-パーマネント野ばら

パーマネント野ばら(日本)


<解説>
人気漫画家・西原理恵子が大人の女性のおかしくも切ない恋心を描き、大きな話題を呼んだ同名漫画を映画化した恋物語。田舎町の小さな美容室を舞台に、男性に振り回されながらも「どんな恋でもないよりまし」とたくましく生きる女性たちの恋模様を紡ぐ。監督は、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八。 ヒロインは、『Dolls ドールズ』以来8年ぶりの主演作となる菅野美穂、共演には江口洋介、小池栄子、池脇千鶴ら豪華な顔ぶれがそろう。(シネマトゥデイ)

<あらすじ>
娘を連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)と、その母まさこ(夏木マリ)が営む町に一つの美容室 「パーマネント野ばら」。町の女性たちは日々店に集ってはおしゃべりに興じ、恋にまつわるさまざまな悩みや人には言えない小さなうそを告白していた。一 方、なおこは高校時代の恩師カシマ(江口洋介)と恋をしていたが、その恋にもある秘密が隠されていた……。(シネマトゥデイ)

<感想>
西原作品は意外と辛酸だったということを「女の子ものがたり」 で知り、今回も鑑賞後は考えさせられる系なんだろうな~と、覚悟の上の鑑賞でした。
ところがこちらは「女の子ものがたり」 のように圧しかかるものは少なく、笑いあり、切なさありで、考えさせられるというより感じさせられる作品でした。主役の菅野ちゃんの影響か、作品が持つ空気感の透明度が高かったな~。

離婚して娘と一緒に故郷へ戻ったなおこ(菅野美穂)の実家は、母まさこ(夏木マリ)が営む美容室「パーマネント野ばら」。日々常連客が訪れては、お下劣であけすけのない赤裸々トークが繰り広げられ、寄り合い所のような所でもあります。常連客はというとパンチパーマのおばちゃんらパーマやなおこの友達など。常連客のおばちゃんらが「チンコ、チンコ」と連発する様子は、まるで小学生のようで苦笑しちゃいましたよ。結局そこかよ…汗1という、ホテルへ連れ込むシーンも先に同じくでした苦笑い

可笑しいのは常連客のおばちゃんらだけではありません。なおこの友達のみっちゃん(小池栄子)とともちゃん(池脇千鶴)のエピソードも相当可笑しいものでした。2人共ろくでもないダンナがおりまして、そのダンナにまつわる話が笑えるのですよ苦笑いみっちゃんのダンナは、浮気癖はあるやら働かないやらで最低なのですが、そのダンナの浮気が発覚した時の、みっちゃんのいきすぎた情熱メラメラを感じさせられた行動には呆れかえって苦笑いしてしまいましたし、歴代の男がみんな最低男というともちゃんの男運のなさには、ある意味あっぱれ扇子で可笑しかったのですが、彼女はそれだけに留まらず、最終的に見つけた旦那もギャンブル狂で失踪。挙句の果てに野垂れ死にという…。もう救いようのなさに苦笑いでしょあせ

しかし、笑えるだけで終わらせないのが西原流。みっちゃんが言う「どんな恋でもないよりまし」という言葉から、辛いことや悲しいことはあるけど、恋という一筋の光があるから頑張れるというメッセージが伝わってきます。そんな恋にすがるから、みっちゃんやともちゃんのような女性が生まれるのではないか?と思うのですが、どんな状況でも一生懸命に生きている姿は感じとれました。人は死ねないから生きている、人が生きる為には糧のようなものが必要なんでしょうね。人それぞれの糧はあるでしょうけど、西原的にはやっぱり恋なんだろうな~。

一方なおこはというと高校の恩師カシマ(江口洋介)と付き合っている様子。散々キョーレツなキャラクターのキョーレツな恋愛を見せられてきたので、2人の恋の話は優しく素敵で一服の清涼剤のようでした。江口洋介と菅野美穂が、まるで本当の恋人のように見える自然な演技で演じており、仕草や態度にこの歳で惚れとさせられてしまいましたハート
小奇麗でかわいらしい2人の恋があまりにも浮きすぎていて、正直変な違和感は感じたものの、物語の中盤まで特に大きな起伏はなく、野ばらの常連客のおばちゃんらの下ネタトークと、なおこの友達のみっちゃんやともちゃんの男運のなさが語られるエピソードに苦笑いしながら、ストーリーは淡々と進んでいきます。中盤までは主人公のなおこのエピソードはあまり語られず、なおこを取り囲む周りの人々のエピソードが強く、そして面白可笑しく描かれ、コメディ要素大でした。

ところが中盤以降、カシマの不自然な行動(旅館に来たのに帰ってしまったり、カシマの仕事場である高校学校で堂々となおこと会っていたり)とか、ともちゃんとの会話とか、少しずつ見え始めてくるなおこの背景から、何かあることがうかがい知れます。この辺からオチは想像できたのですが、分かっていながらもオチが与えた胸に押し寄せるものは大きかったです。

なおこが冷静に周りの人達を見て世話をしている様子だったのに実は逆で、一番まともで皆を大きく包み込んでいたように見えたなおこが、本当は一番大きく包み込まれ支えられていたんだなと分かるシーンには、思わず涙が流れました涙特にラストの、みっちゃんが野ばらを訪れ「なおこはデート中」と言った後の、まさこやおばちゃんらの表情、そしてみっちゃんの「だいじょうぶ」の言葉…、このシーンにはぐわぁあうぅぅ~っとさせられたなぁ。。。
最後まで見ると、カシマの不自然な行動、そして町の人達がなおこを温かく見守っている様子とか、たくさんの伏線がラストにつながっていたんだなと感じとれました。

あんなに周りから支えられ、なおこは幸せだと思う。母もいる、娘もいる、友達もいる、町全体がなおこを見守ってくれている。彼女の周りは、温かさで満ち溢れているのだから。

過去がなくても立ち上がれる日は近いのだ。


ここのところ…映画日記-フィリップ、きみを愛してる!

フィリップ、きみを愛してる!(フランス)


<解説>
刑務所内で出会った運命の相手に「愛してる」と伝えるため、詐欺と脱獄を繰り返した男の実話を基にしたドラマチックなラブストーリー。妻子を愛する平凡な 男から一転して本当の自分として生きるつもりが、愛のためにうそを重ねてしまう主人公とその恋人を演じるのは、『Disney's クリスマス・キャロル』のジム・キャリーと『スター・ウォーズ』シリーズのユアン・マクレガー。本作で初メガホンを取るのは、『バッド・サンタ』などで脚本を手掛けるグレン・フィカーラとジョン・レクア。ジムとユアンの二大カメレオン俳優の豪華競演が見どころだ。(シネマトゥデイ)

<あらすじ>
愛する家族より自分らしく生きることを選んだ警官のスティーヴン(ジム・キャリー)。しかし、ボーイフレンドと派手な生活をするために詐欺師となり、あえなく刑務所行きに。そこで今度はフィリップ(ユアン・マクレガー)に一目ぼれし、自分は弁護士だとうそをつく。釈放後、晴れて幸せを手に入れた二人だったが、スティーヴンはさらなるうそと不正を重ねていき……。(シネマトゥデイ)

<感想>
苦手、苦手と言いつつ、またまたコメディ枠。実はこちらも微妙に心待ちでしたベーこういうのを題材にしちゃうっのてフランスっぽ~~いはーとっ、なーんて思いながら鑑賞してまいりました。

まず驚いたのはこの話が全て実話だということ叫び少々背景を。
警察官のスティーヴン(ジム・キャリー)は、妻デビー(レスリー・マン)と娘の3人家族。一見いたって普通の家庭なのですが、実はスティーヴンはゲイ!(みどり)デビーに分からないようにコソコソと恋人のジミー(ロドリゴ・サントロ)とお付き合いをしております。そんなある日、スティーブンが交通事故に!!そこで彼は悟りを開き「これからは好きなように生きてやる!!自分のやりたいようにやる!!」と、めでたく(!?)ゲイ街道へと突き進むことになるのですGOOD
ジミーと楽しく派手な生活が始まったわけですが、程なく財政難お金がスティーヴンを襲います。今の生活を続けたいと思うスティーヴンは、手っ取り早くお金を稼ぐ為詐欺師となるのですが(アホですドコモ絵文字)、結局捕まってしまい刑務所へ行くこととなります。そこで出会ったのが金髪でブルーアイのフィリップ(ユアン・マクレガー)。刑務所行きも無駄ではなかったドコモ絵文字

恋人同士になって、刑務所内そして出所後もあま~~~~い生活ハートハートハートを送る2人。出所後、スティーヴンはフィリップの為にも真っ当な道を歩くことを決心し、保険会社に入社。そして会社のCFOに選任され、順調に出世街道まっしぐらだったのですが、またまた足を踏み外すスティーブン…顔6
このスティーヴンという男、IQが169もあって単なるおバカではございません。弁護士になりすまし勝訴したり、フィリップの出所に一役かったりと、天性の詐欺師の才能があるんですよGOODそんな彼だから、真っ当な生活に惰性を感じちゃったんでしょうか、再びスティーヴンは詐欺を働き刑務所へ逆戻り戻るお金に困った様子だってなかったはずなのに、また詐欺を働くなんて…汗こうなると癖ですね。いくら愛するフィリップに苦労させたくない、何の心配もせず楽しくいて欲しい一心だったとしても「おいおい…」の一言汗1

捕まってもあらゆる手段でまた脱獄を起こし、そしてフィリップに会いに行くスティーヴン。しかしすぐに捕らえられ収監あせと、性懲りもせずこの繰り返しリサイクルスティーヴンを突き動かすものは、ただ1つ、フィリップを愛しているから!!というそれだけの理由。

短絡的思考ですぐ暴走してしまうスティーヴン、私的にはかなりのアホでですねハハッ・・こういうアホが出てくる映画って、結構イライラさせられて嫌いなんですけど、スティーヴンのイっちゃっている度が突き抜けているので、イラつく域を飛び越えて愉快痛快アップ可笑しすぎますワハハ

見ていて可笑しかったのはスティーヴンだけではなく、フィリップも負けてはおりません。正しくはフィリップというより、フィリップを演じているユアンの演技が可笑しかったんですけどねキャー過剰に演技しているわけではないのに、仕草や目線、態度や口調なんかがキュートでかわいらしすぎて可笑しいワハハはにかんだ様子なんて乙女suki*ですよ。キュンキュンしちゃいましたハート
イケイケなスティーヴンから、大減量をしてまでみせた病にふせるスティーヴンまで、色んなスティーブンを見事に演じきったジムに拍手拍手を贈るも、個人的にはオッサン乙女なユアンの演技の方に軍配を上げちゃいますねキラキラ

鑑賞前は、ゲイの話なので苦手とする人も結構いたりするんだろうな~と思っていましたが、この作品だったら苦手意識も吹き飛んじゃうのではないでしょうか!?とてもテンポがよく、思いのほか愉快で、そして思いのほか爽やか青
ラストは涙あり涙笑いありぶっと、最後の最後まで飽きることなく観させていただきました。

楽しい鑑賞をありがとさんでしたありがとう(男)



ここのところ…映画日記-(500)日のサマー

(500)日のサマー (アメリカ)


<解説>
運命の恋を信じる男と信じない女が繰り広げる、ちょっぴりほろ苦くてユニークな恋愛コメディー。『セントアンナの奇跡』のジョセフ・ゴードン=レヴィットふんする男性の視点から、愛する人との異なる恋愛観に翻弄(ほんろう)される20代の男のリアルな姿をつづる。キュートな相手役には、『ハプニング』のゾーイ・デシャネル。初メガホンを取ったマーク・ウェブ監督はミュージック・ビデオ出身らしく、音楽から会話に至るまでセンスのいい演出が際立つ。(シネマトゥデイ)

<あらすじ>
グリーティングカード会社で働くトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、新入りのサマー(ゾーイ・デシャネル)に一目ぼれしてしまう。ある日、好きな音楽をきっかけに意気投合し、いいムードになった二人。そんな中トムは、サマーに対して「彼氏はいるの?」と聞くと……。(シネマトゥデイ)

<感想>
やっときました!!この作品音譜音譜音譜

コメディという匂いのする作品が全般的に苦手なもので、このジャンルのものは映画館で観る選択には基本入れておりません。しかし数年前から映画館で観たいと思う作品に、コメディ作品もちょいちょい顔を出すようになり、少しずつ苦手を克服しつつある様子なものの、コメディはコメディでもラブの方のコメディとなると完全なるスルー…へぇ
そしてこちらの作品はあらすじを読むかぎり、どうみてもラブコメ。私が好みそうではない作品なのに何故そんなに心待ち&鑑賞に至ったかというと…
実はサマー演じるゾーイ・デシャネルが好きなんですきゃぁ~
「イエスマン ”YES“は人生のパスワード」 で彼女を初めて見た時「あらま、なんとキュートなデレデレ」 と思い、顔と名前が即座にインプットされましたからね顔3ということで、内容<ゾーイちゃん見たさリボンだけで映画館へレッツラゴー して参りました走る人DASH!

「この作品は恋愛映画ではない。ボーイミーツガールの作品である。」こんなナレーションが冒頭から流れ作品が始まります。ラブコメ苦手の私にもちょっと興味そそられるスタートアップラブは描かれているのに、うん、確かに「ラブ」コメではないかもしれない顔

トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、恋に奥手で運命の恋を信じている夢見る夢男くん。建築家に憧れてはいるものの、今の安定した仕事を捨ててまで飛び込む思い切りなどはございません。冒険より安定を求めるタイプですね。
一方サマー(ゾーイ・デシャネル)は、過去や未来なんて関係ない、今を楽しんで生きようという刹那的な考えの女の子。運命の恋なんて全く信じていないと言い切り、恋愛に関してもドライな関係を望んでいる様子。ちょっと風変わりで掴みどころがなく、キュートで魅力的ラブこれぞまさに小悪魔タイプイーニーズ!(きいろ)

トムとサマーの出会ってから500日間を描いた作品なのですが、500日間の時間軸を交差させ過去を行ったりきたりしながら進んでいくストーリーが面白く、そして時間軸の交差がサマーとの恋を回想しているトム目線にもなれるという、この見せ方が上手い拍手ただ単に500日を延々と見せられたら飽き飽きするところだったと思います。
トム目線で描かれているので、鑑賞中トムの心情や気持ちはよく理解できるものの、ただでさえ掴みどころのないサマーの気持ちの方ははっきりしない描かれ方をされていて、今一つ真意が汲み取れないままでした。若干歯痒さは残るもの、反面、サマーの気持ちを理解できていないトムを表現していることでもあると思うと、大いに納得の出来る演出だったかなと思いました。
個人的に気になったのは、サマーが「卒業」を観てボロボロ涙を流すシーンなのですが、あれに関しては2つの意味合いが感じとれて、どっちなのか理解できず…。運命を信じていないサマーが花嫁を連れ去る幻想のようなシーンにカウンターパンチをくらったのか、もしくはその後のバスに乗り込んだ2人の現実のシーンにカウンターパンチをくらったのか…。分かる方、ご一報下さいませ土下座

とにかく映像の使い方がお上手で、現在と過去を画面上に2分割して同時で見せるシーンあり、アニメーションを取り入れて見せるシーンあり、トムの気持ちの浮き沈みをミュージカル映画風やモノトーン映画風に表現していたりと、新鮮な切り口、そして巧みな作り方に目を見張っちゃいましたキラキラもう嬉しくて嬉しくて舞い上がっているトムの気持ちがこれでもかというほど伝わってきた、2人が一夜を共にしたベッド闇##翌日の「魔法にかけられて」のようなミュージカル風の映像、ここはかなりニヤけちゃいましたねがははハン・ソロハン・ソロとアニメーションの青い鳥青い鳥は、トムの心境がよ~~~く現れたニクい演出でgoodOK
また、作中に流れる曲が爽やかでキュートハートさすがPV出身の監督だけあって作品にとても合った選曲、しかも曲と映像の重ね方が絶妙でしたね。そして登場人物も曲同様にとっても合ったキャスティングでしたウィンクゾーイがサマー役にぴったりなのはさることながら、トム役のジョセフくんも優男っぷりが大当たりな役どころでした。
トータル的に見てとおっっっっってもセンスを感じられ、内容より作り方や見せ方に合格合格合格合格合格かなりツボったのは言うまでもありません。

最初に恋愛映画ではないと言っているだけあって、単なる男女の恋愛を描いた作品でないことは確か。恋愛映画というより、恋愛から一歩進むことを学んだ人間的成長の映画という感じでしょうか。トムとサマーも、2人が出会って過ごした日々で、自分を見つめなおし新たな発見に至ったことは事実ですし、人生に無駄はないということ。

偶然を掴みそれを必然に変えるも、偶然を掴み逃してしまうも、いずれにしてもどちらも運命。夏から秋へと季節が移り変わるように、自然とただ前向きに一歩を踏み出すと、運命へと変わる(!?)新たなチャンスはどこにでも落ちているものなのかもしれませんね。