第三章 UFOに似た乗り物


さて、

ここでまたひとつ考えてほしい。
「火のないところに煙は出ない― 」というのは、

私の"可能性"の位置づけとして、
かなり高い位置にあることを意味する。

何が言いたいかというと―
これだけ目撃されている「未確認飛行物体」すなわち「空飛ぶ円盤(UFO)」は
とりあえず、目撃されているのだから、

『存在する』 

と断言していいだろう。
そうなると、私はそれをただの“未確認飛行物体”として うやむやに紛らすのも本望ではない。
であれば、この地球上にあの、よく、テレビや雑誌に登場する ビデオや写真の飛行物体が
何かに似ていないか?
―と考えた。
そして気がついた。

というより思い出したのである。


「タイタニック」といえば、誰もが知っている「デカプリオ」主演の映画―
しかし、映画は映画だが私が子供の時に見た映画「レイズ・ザ・タイタニック」
を覚えている人も少なくないと思う。
今でも目を閉じるとあの船が引き上げられるときのバックミュージックが私には聞こえてくる。
そう、「リチャード・ジョーダン」主演の沈没したタイタニックを引き上げる映画である。
4,000メートルもの深海に沈んだ46,000トンもの豪華客船タイタニックを、
いくつもの難関を乗り越え、引き上げる超大作であった。
そして、このときに沈んだタイタニックの調査をする潜水艦(実際は確か探査潜水艇『タートル号』)、
これこそが私がひらめいた正体なのだ。
水圧400kg/c㎡を動き回るその小さな潜水艦は
まさにテレビのUFO特集の未確認飛行物体そのものだ。
水の抵抗を少なくするためのその形、
前後左右の動きはまるでスロービデオになっただけのようだ。
そう、地上ほど俊敏な動きが出来ていないだけ・・・。

ところで、我々人間は地上、つまり地球上で主に生活している。
だから、地上での乗り物は時代の進化とともに目覚しく発展している。
自動車、バイク、新幹線・・・
しかし人間は地上という殻をうち破り、空へ飛び立った。
そう、飛行機だ。
これは速いぞ。
地上の引力という抵抗から距離を置いて、地上にある障害物をまったく無視して、
新幹線などものともせず、
目的地まで数千キロのスピードで飛んでいける。
では、さらに一歩外へ出てみると、―――
宇宙である。
アポロ11号が1969年7月に月面着陸して以来、
ロケットがいつのまにかスペースシャトルに変わり、
日本人ですら、宇宙に旅立っている。
(この時代を100年と少し前の江戸時代の人間の誰が、予言できたか?・・・)
スペースシャトルは速いぞ。
飛行機より速い。
宇宙は空気の抵抗も重力もほとんどないから、
加速すれば永遠と飛び続けるし。
人工衛星やスペースシャトルは1日に5~6周も地球を回っていて、
たとえば飛行機でアメリカまで10時間以上もかかることを考えれば、
その速さがどんなに凄いか分かる。
元に戻って考えると、
地上で生活する人間が、どんどん抵抗の少ないところへ
進んでいくと、動きが俊敏になっていくことは、
分かっていただけたと思う。
では、ここで本題だ。
あくまでも仮定であるが、
もし、海底に生物がいて(例えばアトランティス大陸の人間が海底で進化したとか、
または河童でもいい)
その生物が、地上にはまったく現れずに、海底奥深くで進化したとしよう。
もし、人間のように知能が発達していれば、当然私たちのように、
乗り物を作ったかもしれない。
最初は人間が馬車で移動するために馬を使ったように
能力を持った者は乗り物として魚を動力にしてたかも知れない。
そのうち何か燃料になるものを開発して、
地上にある、車や電車のようなものが作られた。
やがて、海底でも高速の乗り物が開発されたかも知れない。
そして、ついに彼らは、海の抵抗から脱出したのだ。
海上に出た彼らは自由気ままに動いた。
その乗り物とは!?
人間が深海で適していると思って作った潜水艦に似た乗り物――。
それはUFO?
その動きは前後左右自由気ままだ。
時には止まっていたかと思うと、目にもとまらぬ速さで飛んで消えていってしまう。
その速さは宇宙を飛びまわるスペースシャトルのような勢いで!
もちろんこれは仮定の中での話である。
断言はしないが・・・、
でも、否定出来るだろうか。

つづく


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