クラシックと云う勿れ13 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

今宵の一枚は

『宇野功芳のすごすぎる世界』



・モーツァルト:『フィガロの結婚』序曲
・モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67『運命』
・ハイドン:弦楽四重奏曲第17番Op.3-5(ホフシュテッター作)~セレナード
大阪フィルハーモニー交響楽団
宇野功芳(指揮)
録音:2005年4月10日、大阪、ザ・シンフォニー・ホールでのライヴ

クラシック音楽の評論家で信者までいる宇野功芳(1930~2016)大先生による壮絶な一枚爆弾
評論家としても個性的な方で、カラヤンやポリーニなどは一部を除いてけちょんけちょんの持論を展開、他の評論家からさほど評価されなかったクナッパーツブッシュやシューリヒトなどは、宇野大先生が絶賛したからこそ日本に熱狂的なマニアが生まれたと思うし、先程けちょんけちょんに貶したカラヤンも良いものは良いと言う、思ったこと感じたことにレコード会社の思惑や大人の事情を無視した歯に衣着せぬ評価は、批評家としては凄く立派な方だったと木さんも思います。
たまにどうしても大先生的には『?』な演奏を大人の事情で推薦文を書く時、明らかに内容が薄いとかめちゃくちゃ短文ってのが、大先生の批評家としての良心を感じ面白かったのも懐かしい。
宇野大先生の好みは、個性味溢れる演奏家がお好きなようで、逆に楽譜通りの演奏家は、あまりお気に召していなかったように感じます。
きっと天国で、個性的な演奏より、模範的な演奏を良しとする演奏家が多くなった昨今を嘆いていらっしゃると思います。

さて、そんな宇野大先生、批評家活動の傍ら音大出と言うこともあり、女声合唱の指揮も並行して行って来たのですが、晩年近くになり、とうとうオーケストラまで振るようになり、そのどれもが20世紀初頭の演奏家を思わせる楽譜の指示は無視して音を揺らしたり、過剰なまでの表現は、かなり個性的。
宇野大先生がお気に入りのメンゲルベルクやフルトヴェングラー以上と言って良いかも。
このアルバムの冒頭のフィガロの結婚序曲の激遅、40番の過剰なまでのポルタメントの掛け方など、本人は真面目なんだろうけど(良く大先生の評論の中に生命を掛けた遊びって言葉があるが正にそのもの)、正直ここまで過剰だと笑いが…
運命もこれでもかって言うぐらいコテコテ。
アマチュアだからこそ出来たと言う人もいますが、宇野大先生は、前述のとおり指揮活動はアマチュア以上の活動をしていたので、確信犯だと思います。
やりたいこと全部やりましたって感じ。
良くオーケストラが納得したなぁと思うけど、案外楽しんでいたのかも(若しくは仕事と思って割り切ったかな)。
このアルバムで一番良かったのがハイドンのセレナード。
これはロマンティックで素敵な演奏。

流石にこのCDを買うのは躊躇うけど、便利なApple Music(Amazon Musicでも聴けます)で聴けるのは有難い。

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