日曜日の夕方、
いつもの川沿いでの
女とゴイサギのお話です。
水草の上に
颯爽と現れた1羽のゴイサギ、
精悍な表情です。
水の流れ落ちる地点に
歩いてきました。
魚を捕るようです。
狙いを定めます。
「鯉よ、コイ!」
惜しい!
その後も粘るものの
魚は1匹も捕れませんでした。
「あー」
(濁点を付けてどうぞ。)
天を仰ぎます。
「もう、無理…」
まるで
頭を冷やすかのように
泳ぎ出すのでした。
犬かきならぬ、サギかきです。
いや、ゴイかきか?
「何がいけなかったの?」
流れの緩やかな水辺にたたずみ、
ゴイサギは考えるのでした。
そして復活!
気をトリ直し、
再び漁場に戻るゴイサギでした。
「今度こそ逃がさない。」
魚を狙うゴイサギと
そのゴイサギを撮る女、
お互い1時間は粘ったでしょうか?
背後から声をかけられた女
振り返ると、そこには知り合いの姿がありました。
「ネギいる?」と知人。
「いります。」と女。
そして、採れたての青ネギを、
しこたま抱えながら、
女は去って行きました。
その晩女は、
青ネギたっぷりの
お好み焼きを焼くのでした。
さて、
ゴイサギと女、
どちらが先に夕ご飯、
いえ、夕ゴイ飯にありつけたでしょうか?
またもや、
知る由もありません。
寒返る
春の日の出来事でした。
それでは、ゴイきげんよう!