引き続き、寺地はるなさんの本を多く読みました。全作品読破まで、残り2冊となりました。
町田そのこさん作品を読み始めました。
2020年12月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:5424ページ
ナイス数:390ナイス
https://bookmeter.com/users/704931/summary/monthly
■中島ハルコはまだ懲りてない!
一巻目もこんなだったのかな。猥雑、下世話、ここまで言いたい放題?みたいな感じが炸裂。大地真央主演でドラマ化されるんですよね。
読了日:12月31日 著者:林 真理子
https://bookmeter.com/books/11051481
■ウズタマ
周作が失っていたものは、3歳までの記憶の風景だったかもしれない。幼い時の記憶は家族や周辺の人たちに語られることだったり、写真だったりで記憶として植え付けられていくような気がする。母がいないそのことに不自然さを感じながらもそのルーツをたどることができなかった不安。父の入院により、閉じられていた記憶の扉が次第に開けられていくのだが、それが本当に衝撃的な内容だった。一人の子どもを守るためだったとはいえ…。塩ラーメン食べるたびにこの作品を思い出しそう。
読了日:12月31日 著者:額賀 澪
https://bookmeter.com/books/12454909
■メロディ・フェア (文芸)
普通の生活の中にある幸せを感じられる作品。確かにデパートの化粧品はわざわざいく感じで、モールの化粧品はついでに買う感じがある。お仕事小説としても家族の再生物語としても読める作品。最近、強烈な印象の作品が多かったので、宮下さんの本を読むと落ち着く。
読了日:12月29日 著者:宮下 奈都
https://bookmeter.com/books/2004198
■そのバケツでは水がくめない
ストーカーや毒親の話かと思ったが、関りを持った人を傷つけて次のターゲットに移っていく不思議な女性・美名。恋愛だったら関係を断ちやすいけれど、仕事のパートナーだったらどうなる?最後収まるところに収まってくれたからよかったけれど、精神をむしばまれていくのは厄介。最後の描き方は飛鳥井さんっぽいなと思いました。
読了日:12月28日 著者:飛鳥井千砂
https://bookmeter.com/books/12525151
■ヒトリコ
どうしょうもなく暗黒に突き落とされた小学校の生活。思春期の子どもたちの残酷さを思った。この暗さしかない話のオチをどうつけていくのかと思ったけれど、金魚の件の元を作った冬希のまさかの再登場。キュー婆ちゃんがいい味出しててよかった。嘉穂、サイテイだわ。こんなクラスメートほしくない。いつも大事な場面で主人公を奈落の底に突き落とす。最後、ほっとできる展開で本当によかった。
読了日:12月27日 著者:額賀 澪
https://bookmeter.com/books/9763023
■松ノ内家の居候
ああ、原稿が……もったいないと思ってしまった。研究の面からいったら、手紙一通に関して、手帳でも貴重なものなのに…。まあ小説上で、巻き込まれてしまう家族と文豪の過去を守るという意味では致し方ないのか。登場人物の名前『細雪』からとったのかな。雪子・貞之助、「清之介、貞夫、雪江」。
読了日:12月26日 著者:瀧羽 麻子
https://bookmeter.com/books/11553850
■うつくしが丘の不幸の家
短編で一つの家の歴史を追っていく構成。『ぎょらん』もそうだが、一つひとつの短編の精度が高くて深い内容に驚く。それぞれが自分の呪縛に気づくきっかけとなっていく。しっかりと一生懸命に生きる女性たちが多いのに比して、秀仁・健斗などどうしようもない男性陣。響子・惣一たち子どもには幸せであってほしいと思った。同じ家で幸せに暮らせるかどうかは、その本人次第。夢の持つ暴力って考えたこともなかった。
読了日:12月26日 著者:町田 そのこ
https://bookmeter.com/books/14423962
■ぎょらん
不思議なでも納得できるような話でした。死は突然訪れその吸引力は抗うことができないぐらいに強い。明日こそは未来なら修復可能かもしれないと思った関係を断ち切っていく。死者の思いは推し量ることしかできないし、遺された者はその時点からも未来へ向かって生きていかざるを得ない。死者が残したと言われる「ぎょらん」を通して、死者の念の取りつかれてしまうもの、立ち直りのきっかけをもらったもの、様々な思いが交錯し、つながり合うことで解明されていくぎょらんの秘密。『ツナグ』に通じる世界を感じつつ、死が絡む内容なので、
読了日:12月25日 著者:町田 そのこ
https://bookmeter.com/books/13151595
■わたしの良い子 (単行本)
産まれてくれて授かっただけで良かったと思えるわが子も、成長と共に、できるできないでつい線引きしまう。育児書はあふれていても、自分の子どもにぴったりと合うものなどなく、本当に手探り。ひとたび問題が起これば、親の責任、特に母親にその責任が多くのしかかってくる。子育てに伴う、いろいろなあるある。頭ではわかっていても、子どもを傷つけてしまっていたこともあったと思う。本当に、いい話書くなあ。寺地さん。
読了日:12月23日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/14312954
■月のぶどう
できのよい姉とできのよくない弟と比較され成長してきた双子。早い時期に天職と呼べる職業に就く幸せもあると思うが、天職と思えずに生計を立てる手段として仕事をするというのも、悪くはないと思う。どちらの生き方も否定せず、どちらの生き方にも苦しさや喜びはあるように思った。歩は、ゆっくり成長するタイプではないだろうか。早く道を選ばなかった分だけ、周りの風景を俯瞰して見てこられたような気がした。しみじみ良い作品だな。人物造詣と気持ちの描写が細やかだから、寺地作品は安心して読める。
読了日:12月22日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/11282159
■夜が暗いとはかぎらない
思いのほか登場人物が多く人間関係が分からなくなる。いつもなら一気読みしてしまう寺地さんなのに四日ほどかかってしまった。「声の色」「「ほこぶね」「3夜が暗いとはかぎらない」がしんどいなと感じた。特に「よく気がつくけど行動力がない人間は、そうでない人より何倍も葛藤や逡巡するタイミングが多くて、疲れる」というのは、そういもんなんだと思った。各章を読んでいると、思春期・子育て中などに自分が経験した体験や葛藤など、同じでなくても似たようなことで感じた思いが、この時のこの気持ちはこういうことだったのだと、言語化されて
読了日:12月19日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/13613373
■ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
多様性ということを考えさせられた。日本人なのに、レンタルのカード登録をするために、店員から変な目で見られるところが意外だった。異文化の中で暮らす、地雷を踏む、何がその人種?文化で正しいのか?わからなくなる。底辺校と言われる学校で生き抜いていく息子くんがかっこいい。とても刺激的な内容だった。
読了日:12月16日 著者:ブレイディ みかこ
https://bookmeter.com/books/13789029
■いっしょに遊ぼ、バーモス ブリンカル! (あかね・新読み物シリーズ)
山本悦子作品では、学校の中に外国人が普通に出てくる。『神隠しの教室』『今、空に翼広げて』『がっこうかっぱのおひっこし』など。この作品は2003年の作品で、場面緘黙症の清也とブラジルからの転校生のジュリアナとの交流が中心となっている。黙っている子・大人しいと見られている子は、鈍いわけではない。言葉が人を傷づけてしまうことを知っているからこそ、言葉を発することをためらってしまうことがある。山本さんんの作品は展開がドラマチックだ。最後、読みながら涙ぐんでしまった。日本人・ブラジル人という垣根をこえて、
読了日:12月14日 著者:山本 悦子
https://bookmeter.com/books/96348
■希望のゆくえ
失踪した弟を探す兄。希薄な家族関係。逃げ出してしまいたい家族関係。誠実のような兄はいそうだけど、希望のような弟タイプはどうかな?人から求められたことに応えられるってある意味能力のような気がするけれど、本人は自分がからっぽな存在になってしまう。でも、からっぽにして人の話を聞けるってすごいな。希望はかわいそうな人、かわいそうな存在を見捨てておけないってことでうごくのかと思ったけど、実際そうでもなかったようだ。最後の着地点はこうくると思った。希望が見えそうで見えない。
読了日:12月13日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/15418585
■みちづれはいても、ひとり
向田邦子の『隣の女』ってどんな話だったかなと思い出しながら読んでいた。隣に住む楓と夫と別居中の弓子。性格が違う二人が夫探しの旅に。借家オーナーのシズが子どもと一緒に二人と住み込むようになるのがすごい。シズの言動や行動がよく理解できなかったが、後半なるほどと思った。シズも不可解な隣の女。「島の生活」「別れの決着」「ジェンダーフリー」他の寺地作品にも出てくるモチーフがあるけど、似ているというわけではなく、全く別作品。人物造形がしっかりしており、人の見方が鋭い。今回も夜更ししてしまった。
読了日:12月11日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/12367985
■夏子の冒険 (角川文庫)
現代の作家だと柚木麻子の『伊藤くんAtoℤ』の女版のようにも思える夏子。ただし、伊藤くんのようなうじうじした感じはなく、カラッとしている。周りの男たちや家族を翻弄し、最後のオチはそこかぁという感じ。熊の出現はさすがに恐ろしかった。三島はフェミニストだったのだろうか?ジェンダーフリーな感じがしたお話。おとぎ話的な感じもあり、三島ってこんな作品もあるんだと新たな発見。
読了日:12月09日 著者:三島 由紀夫
https://bookmeter.com/books/553932
■子どもの心の受け止め方 (発達につまずきのある子を伸ばすヒント)
『この本読んで!』でも発達障碍についての連載を持つ著者。JPICのオンライン講座を受講して内容が良かったので購入。発達障碍の児童だけでなく、グレーゾーンの児童やこだわりの強い子だけでなく、子育てでも役に立つ内容。困ったと思った事項のページだけでも読んでおくと実際に活かせそう。
読了日:12月08日 著者:川上 康則
https://bookmeter.com/books/15443300
■生きる冒険地図
中学校図書館用として購入。これを読んで生き延びていってほしい。周りにいる大人にも知ってほしい内容。必要な子に届くことを祈る。
読了日:12月08日 著者:プルスアルハ
https://bookmeter.com/books/13779045
■三島由紀夫 悲劇への欲動 (岩波新書)
禁忌、淫靡、背徳、非業など、三島のイメージは、取り扱い注意。読んだら鋭利な刃物で心をグサグサみたいな。負のイメージやレッテルから、三島作品は自分とは次元が違うと思い避けてきた作家。なのにの本を読んでみようと思ったのは、岩波新書だから。幼少期を母から隔てられ、祖母に育てられ女の子の遊ぶような静かな中で育てられた。そうして差負った子が、学校生活を送っていくのは、並大抵のことではなかったでろう。勉強ができても体育が苦手。肉体へのコンプレックスは、ボディビルや剣道へと向かっていく。
読了日:12月07日 著者:佐藤 秀明
https://bookmeter.com/books/16698261
■架空の犬と嘘をつく猫 (単行本)
予想以上に複雑で、ドロドロしたところもある話だった。家族が家族として機能し、家族としてあり続けることは、難しい。この家族の場合は、年月をかけて、子どもが大人になったことによって再生できたような気がした。絆の意味の中に「ほだし」という動物を縛る棚の意味がある。家族は役割でどうしたって個人をしばる。その中で自分らしく生きる難しさを感じる。境遇や表面的なことで、人を見下したり、見上げたり、同じ地平でどんな人も公平に見るということも難しい。いろんなことを読みながら考えさせられた。
読了日:12月01日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/12482874
■彼女が天使でなくなる日
毎日1冊、寺地はるなになっている今日この頃。読んでいる間と読了後、自分を縛っている多くの呪縛から解放されるんだと思った。呪縛からの解放が寺地作品の心地よさ。「あなたのほんとうの願いは」は、まだ言葉をしゃべらない時期の子どもと二人っきりで過ごす閉塞感・辛さ・育児書通りにいかない苛立ちなど、あるある満載だった。「誰も信頼してはならない」友だちも男もクソと言い放ってくれる千尋さん。いい子でいる必要ないよって思った。傷つけられたら、傷ついてるって言っていい。気持ちがチーズみたいに発酵する前に。
読了日:12月01日 著者:寺地はるな
https://bookmeter.com/books/16163019
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