2020年4月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:3780ページ
ナイス数:112ナイス
https://bookmeter.com/users/704931/summary/monthly
■晩年の子供 (講談社文庫)
人は、心の中に野獣を宿している。ごく稀に野獣を持ち合わせない天使のような人もいるが、それはごく少数に違いない。学校の中で、いじめがおきやすいのは、同一の方向を子どもたちに向かせなければならないからである。野獣を持つ子どもたちを静かにさせ時に眠らせるには、調教師の面をかぶる教師の力量である。もちろん、ここにも例外があり、調教しなくても、子どもたち一人ひとりと真摯に向き合える教師もいる。子どもの成分は、すべからく善であるという発想からは、離れた方がいい。そんな大人は教師には向かない。
読了日:04月30日 著者:山田 詠美
https://bookmeter.com/books/557530
■書きつづけて死ねばいいんです―駒田信二の遺した言葉
駒田信二の遺した言葉を、もう一度自分の中に入れたいと思って読み直している。ことばを取り扱うという時に、覚えておきたい本。ことばは、時に危険にもなる。だから、取り扱う者には、そのことばを発する姿勢と人格が問われるのだ。それは、小説家と言われる専門家だけではなく、こうしてレビューを書く私にも問われている。
読了日:04月30日 著者:加地 慶子
https://bookmeter.com/books/60234
■散歩の詩学サンポロジー
私の恩師・松田良一の初めての炭鉱本である。近代文学の研究者なのに、「散歩」というのが、いかにも師匠らしい。松田の師匠は前田愛である。「前田先生がね」で始める話は今思えば、遠い記憶を呼び戻すように、少し上向き加減で語っていたように思うのだ。松田の語るような口調は、ゆっくりっとその頃の映像を思い出しているからだろう。とてもよく覚えている。とても人気のあるゼミで、大学2年生から研究生まで4年お世話になった後も、交流は続いた。この本のあとがきにもあるが、当時「東海世相風俗研究会」を主宰され、会員と共に、
読了日:04月26日 著者:松田 良一
https://bookmeter.com/books/941691
■風邪の効用 (ちくま文庫)
この本は新聞の広告で見つけ、その不可思議なタイトルに惹かれて購入した。コロナ禍、生まれて初めての図書館の長期休暇だ。この本は自前なので、すぐに読むことができる。断捨離で処分した本も当然ある。この本が蔵書にあることだけでも安心感が増す。野口晴哉の名前は、読書家と呼ばれる著名人の本のそこここで、発見する。文章が読者に語りかけていて、とてもわかりやすいのだ。一人ひとり体癖が違い、何かしらのゆがみが生じる。そのゆがみを直すのが、風邪で。風邪は本来悪者ではなく、私たちの体を付けてくれるのだ。そういえば、
読了日:04月26日 著者:野口 晴哉
https://bookmeter.com/books/519607
■あららのはたけ
昨年10月に行われるはずだった村中さんの講演会、次は今年の四月のはずだった。毎年四月は大学が始まる、今年のようなコロナ・ウィルスでなくても大学は忙しいのに、村中さんは、参加予定者全員に一人ひとりメッセージをくださった。
「いつかいつかきっと、またお会いできますように」とこの本の絵葉書の裏にメッセージを書いてくださっていた。いつか村中さんにもう一度お会いできる日まで元気でいなくちゃ。
読了日:04月26日 著者:村中 李衣
https://bookmeter.com/books/13795904
■おとうさんはしょうぼうし (おとうさん・おかあさんのしごとシリーズ)
 お孫さんが三人おられ、一番上のお孫さんが車が好きということで、おすすめしたら、4歳のお孫さんが「おとうさんってみんなしょうぼうしなの?]と言われたのだと言う。新学期でも、休校延長で、当面は子どもたちには本は手渡せないと思っていた。でも、間接的にだが、本を手渡すことで、読み聞かせの様子を教えていただき、感想までいただいた。学校司書とは、こんな時でも何という幸せな仕事なのだろうと思う。
 おすすめした先生のたたずまいは、常にほがらかでやさしい。現役時代にもきっとクラスの子どもたちを丁寧に見ていたに
 
読了日:04月26日 著者:平田 昌広
https://bookmeter.com/books/489711
■蛇蠍のごとく (文春文庫)
このドラマをオンタイムで見ていた世代だ。思春期にこのような内容のドラマを家族、特に父もいる茶の間で見るのは、なんとも言えがたい気持ちがしたが、次週が楽しみだった。その後、何度かの再放送も見た。この本を見ながら見たが、必ずしも一言一句シナリオ通りではなかった。
シナリオを買い求めるぐらいだから、このドラマが向田テレビドラマの中では一番印象に残っている。というのか、『あ・うん』などの再放送回数が多いドラマよりも、今度いつ見られるとも思えないこのドラマの方が記憶に残るように懸命に見ていたのかもしれない。
読了日:04月25日 著者:向田 邦子
https://bookmeter.com/books/529970
■自分を育てる読書のために
 岩波書店さん、お願いです。この本、必ず増刷してください。手売りでも必ず売ります。
 思春期の中学校にには必ずほしい人材である。
私は実はこの本を2冊持っている。中学校の教員でも、この良さがわかる人とわからない人にわかれると思うが、一冊は私の愛蔵版として、もう一冊はこの本を手渡したい誰かに手渡しするためである。
 小幡の持つ天性の直さと誠実にひたむきに、子どもに関わろうとする姿である。
 中学生の悩み多き年ごろには、魂の美しい人間が一人いるだけでも違うのだ。「とりわけはらはらさせられた大事件」で、

読了日:04月25日 著者:脇 明子,小幡 章子
https://bookmeter.com/books/3304230
■中島敦 (文春文庫)
私がこの本ではっと思ったのは、中島敦が、南国パラオで文化の枯渇に悩んでいた時に、土方久功と出会ったというくだりだ。土方といえば、そう絵本『ぶたぶたくんのおかいもの』の作者である。
読了日:04月25日 著者:森田 誠吾
https://bookmeter.com/books/197534
■向田邦子 心の風景
松田良一は私の近代文学研究の道を開いてくれた恩師である。松田が、その文学講義の中で「作家の原風景が大事なんですよ」と言っていたのを事あるごとに思い返す。『なつかしい時間』に頻回に登場する「風景」とも符合すると思う。松田は学生に、物事を見る時、文学を味わう時に、その表面だけでなくその時代の風物や地理など、作品を読むときには必ず現地を歩くことを勧めていた。文学研究だけでなく散歩の楽しみや、敗残の美学というのも松田がよく好んで使っていた言葉だ。心の軸がぶれる時、師匠の本を読みたくなるのはなぜか、
読了日:04月25日 著者:松田 良一
https://bookmeter.com/books/550641
■からだを守る (1978年) (岩波科学の本)
学校図書館で見つけた本。古い本はかなり除籍してあったが、この本は奇跡的に残っていた。とある科学の講座で、理科の本はね、今よりも古いものの本がいい時があるよと言っていたのを思い出して、読んでみる。「伝染病の予防」や「リンパ球のはたらき」など、何も知識がない素人が読んでも実にわかりすい。有事の時、思い出して読みかくなるのは、不思議に岩波書店のものが多いことに気づかされる。
読了日:04月25日 著者:大谷 杉士
https://bookmeter.com/books/3158696
■政治・経済 文部科学省検定済教科書 [2 東書 政経 311]
税金の定義について知りたくて、子どもの教科書を読んだ。
今の政治・経済の教科書、すごい!p222、なんて学校の図書館教育で使える内容。現在の日本・世界が抱える問題をもう一度、頭に入れ直したい。
読了日:04月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/13012341
■木をみて森をみない
長田弘『なつかしい時間』を読んで、長田弘の弟の『木をみて森をみない』を再読した。長田弘がクラッシック音楽だとしたら、青山南はロック、時にヘビメタな感じがする。「競争する娘たち」が好きで読んでいたら文中に『人間を幸福にしない日本というシステム』が紹介されていた。読んでみたい。数珠つなぎ、これも読書の醍醐味。
読了日:04月18日 著者:青山 南
https://bookmeter.com/books/162639
■なつかしい時間 (岩波新書)
平時に読んでも良い本は、有事に読んでも良い。繰り返し読むに耐えうる本には、著者が死しても尚、揺るぎない言葉の力がある。読みながら何度も声にした「長田弘ってなんていいんだろう」と。
読了日:04月18日 著者:長田 弘
https://bookmeter.com/books/6372099
■語るためのグリム童話〈1〉ヘンゼルとグレーテル (語るためのグリム童話 1)
小澤俊夫さんによると昔話には法則性があるということ。久しぶりにグリム童話を読み直してみる。「ヘンゼルとグレーテル」は継母ではなく実母。言ってはいけない言葉を言ってしまい命を落としたり、「忠臣ヨハネス」はその忠誠心をどこまで信じられるのか?究極の状態で人としての力がはかられる。深い。
読了日:04月09日 著者:小澤むかしばなし研究所
https://bookmeter.com/books/148327
■i(アイ)
親友になるミナの存在がいいなと思った。アイデンティティを持つのが非常に難しい主人公が、自分を愛してくれる人たちを通して愛を感じられるようになって本当に良かったと思った。あらすじだけ読んで、敬遠していた作品だったが、読み始めたら一気に読めた。
読了日:04月03日 著者:西 加奈子
https://bookmeter.com/books/11206103
■そうだ 魔法使いになろう! : 望む豊かさを手に入れる
吉本ばなながこんなにスピリチュアルな人とは知らなかった。転生や前世、宇宙人など目に見えない世界の対談。大野さんのことを全然知らなかったけれど、相当知識があって知らないことが多かった。明け方に見る夢の内容をメモしておこう。
読了日:04月02日 著者:吉本ばなな,大野百合子
https://bookmeter.com/books/13654494
■この名作がわからない
不倫は文化という言葉が思い出されるぐらい文豪と呼ばれる人たちの心理や行動は不可解。実体験を物語に落とし込むことで作品として昇華しているのかもしれない。このお二人が評価している川端康成。『掌の小説』あたりから読み直してみたい。
読了日:04月01日 著者:小谷野 敦,小池 昌代
https://bookmeter.com/books/13751709

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