『もう一度だけ、聞かせて。俺たち、もうやり直せないのかな?』
涼子は、クラクラするほどの怒りを感じていた。
今さら何を言っているんだろ、この馬鹿は…
苛立たしくメールを打ち込む。
『いい加減にして。最後に会いたいって言うから出てきたのに。まだそんな事言ってるなら、このまま帰るよ』
駅前の百貨店の前。
ここは涼子と達夫、二人の出会った場所だった。
今は一人。
涼子は一人で、夕暮れの帰宅途中の人混みの中、立っていた。
メールの着信音がして、ため息をつきながら涼子が携帯を見る。
『お前と別れるくらいなら、俺、死ぬ』
涼子は手早く打ち込んだ。
『死ねば。』
待っていたかのように、すぐ返事が返って来た。
『一緒に死のう』
「もうイヤ!」
涼子はそう言って、スタスタと足早に歩き出した。
途端、何かが一瞬太陽を横切り、すぐ後ろで大きく堅い音がした!
振り向くと、そこには肉塊と化した達夫が転がっていた。
達夫は、百貨店の屋上から、涼子に目がけて飛び降りたのだった。
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なんかホラー系ばっかりですみません。
そのうち感動orサスペンスなどなどつくりますね