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悲しみの先に


彼女は恋をしていました


10年もの間

彼の気持ちがわからずに

苦しみ悲しみ

もがいてもがいて


眠れぬ夜を過ごし

なんとも表しようのない不安と

戦いながらの日々


ある時

それが父親に対する思いだったと

気づいた彼女


幼い頃に

待っても待っても帰って来なかった父親への恋慕


時間は戻せないけれど

父親に聞いて欲しかった思い


ただただ

寂しかった

ただただ

そばにいて欲しかった


多くは望まない

おもちゃもいらない


ただ

お父さん

あなたにそばにいて欲しかった


その思いを

今さら父親に伝えるわけにはいかず

彼女はある人に話した


そして

幼い頃に戻り手紙を書いた


泣きながら

書いては破り


私はお父さんが好きなんだと

大切にして欲しかったんだと



そして

彼女は彼に聞いた


聞く事が怖くて

怒らせるのが怖くて

今までいろんな思いを飲み込んで


そんな彼女が聞いた彼の言葉は

ショックなものだった



それから二週間

意外にも彼女は笑っていた



結果がどうであれ


聞けた事

自分の思いを言えた事が

彼女にとっては大きな一歩だった


人の心、感情は不思議なもので



思い悩む事の本当の原因というか

根っこは

違うところにあったりする


その根っこに目を向けて

その根っこに水をやれた時


自分という木はイキイキと甦る


そう気づいた彼女は動き出せた


そんな彼女のこれからの人生に

私はエールを送り


最期の時間まで

共に生きようと決めた






目に映るもの

心に映るもの


そのどちらが

本当のものなのか


とめの目には

何が映ってるのだろう