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花を咲かすのは誰?



まだ、息子が小学生だった頃

当時ボーイズリーグで野球をしていた彼は

思ったような結果が出ずに

子供なりに悩んでいた



こんなに頑張ってるのに…と呟き

涙ぐむ息子の頭をしばいたのは

後にも先にもその一度きりだったが


なんてひどい母だったんだろう


自分は頑張ってると思てるかもしれんけど

頑張ってるか頑張ってないかは

あんたが決めることやない


そんな事も言った



チューリップの球根は寒い時に植える

寒い冷たい土の中で

我慢して我慢して

春が来て暖かくなったら芽を出すねん


誰にも教えてもらわんでも

ここやと思って芽を出すねん


もしかしてそのタイミングを

間違えたら枯れるかもしれんな


芽を出したら

大きくなるように水もやろう

綺麗な花を咲かすために

肥料もやろう


風に倒れんように囲いもしよう

誰かに抜かれんよう

折られんように

守りもしよう


でも

蕾がついて

その蕾が開くのは

手伝えへん


手を添えたら花びらは傷ついて

枯れてしまう

散ってしまう


わかるか?


芽を出す時と花を咲かすのは

自分の力や


球根が堀り返されんようにも見張ってられる

大きくなるまでは全力で守りもできる


でも咲く時は

無理やり蕾を開かす事も

今やで、と教える事もできひん


自分の力で咲くんやで

わかったか?

泣いてる暇なんてあらへんで



唇を噛み締めて頷いた息子


そして、ぽつりと言った



蕾のままで終わったらどうしょ…



泣いた

今度は母が泣いた


大丈夫や

蕾のままで枯れるような

そんな事はさせへん


立派な蕾がつくまでは守る

絶対に守るから




その約束は果たせたんだろうか


夢だった甲子園のマウンドには

立てへんかった

夢だったプロにも行けなかった


高校の卒業式


大きな花ではなかったけど

自分の花は咲かせました、と

監督に言ったとか



今になって思う

必死だったあの頃には

気づかなかったけれど


人生で花を咲かすのは

一度きりじゃない


何度も芽を出し

蕾をつけて


何度でも

咲かすことができるんだと




おかあしゃん


あたちも?