ありすのブログに
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私は京都の真ん中で生まれた

幼い頃には

まだ市電が走っていて

堀川が流れていて

御池通りには
大きなけやきの木があって

神泉苑のお祭りの
お稚児さんでは嫌だと


祇園祭の囃子方に憧れて

還幸祭のお神輿さんを
担いでみたいと
駄々をこね


白地に朝顔の浴衣に
赤いへこ帯


下駄を脱いで
裸足で歩く
打ち水流れるアスファルト


そんな女の子だった



大文字さん
灯ったえ~


遊び呆けた子供らも
我先にと手を合わせ

過ぎ行く夏の灯火は
いつも普通にそばにあり



しのぎよぉなりましたなぁ

ほんまに
もう秋どすなぁ

今年もよぉ灯らはった
綺麗やわぁ



大文字さんが消えゆく
夏の終わり

耳に残る数々の言葉



あの夏の日は思い出の中

燃え盛る炎と共に
還ってゆく魂が
存在すると

知らず知らずに
教えられ


祇園さんはな
神さん事やさかい
女の子はあかんねん



ふ~ん
女は損やなぁ

けれどなぁ
お祭りを支えてるんは
女やねんで

ありすもおっきなったらな




ご縁がなく
お祭を支えるお役目は
回っては来なかったけれど

女は損やなぁと
呟いた女の子は


おっきくなって

女に生まれて幸せだったと

そう思っているとか…




遠い遠い夏の日

手を伸ばせば
すぐそこに

心の中に
すぐそこに