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車で移動するのが
日常になっている私

車に傘を乗せ忘れ


駐車場から歯医者まで
約20メートル

どしゃ降りの雨
嵐のような風

この季節なら

雪起こしの風のはずなのに






子供の頃の
頬を切るような冷たい空気

寒さで頬を真っ赤にして
家に駆け込み

冷たい手を
練炭火鉢にかざし


毛糸のパンツに
毛糸の腹巻き





そんな日がまるで
博物館に飾られるような
そんな時代になったのか


傘がない


すぐそこにあるのに
たどり着けない

そこに行くのを
躊躇している

まるで今の私の状況のように
雨が降る






傘がなくても
濡れたって

私は
平気だったはず


傘がない



ないない

行けない

戻れない

春雨じゃ
濡れていこう





うん
傘がなくても
濡れたって

私は
そこに向かえるはずだ

風がどんなに吹いたって

私は
前に進めるはずだ





こんな日は
小さなこの子を思い出す

自分の病気を受け入れて

一年三ヶ月の命を
全うした
この子を思い出す




この子を引き取った日は
別れを覚悟した日でもあった

先天性巨大食道症

生き急ぎ
この世を駆け抜けていった
小さな命


こんな日は
こだま

あなたを思い
胸がしめつけられる

あなたは
そんな私を
笑って見てるのかな


泣いてる暇なんて


ないよ…と