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七年前に
虹の橋を渡ったモル
怖がりで
甘えたで
抱っこをせがむ
男の子だった
去勢をしても
マーキングがなおらず
あちこちにおしっこを
かけられ
閉口したな
でも
それ以上に
愛しくて
可愛くて
七年前の今頃
雪が積もっていた
緩和ケア病棟にいる母が
もう駄目だと言われた二日後
モルは
眠ったまま
虹の橋を渡った
痩せてはきていたけれど
病院が大嫌い
ストレスになるなら
無理には連れていかないと決め
けれど
母に付き添っていたため
じゅうぶんには見てやれず
そんななかで
モルは
空に還った
モルが虹の橋を渡った夜
母は
奇跡的に
持ち直した
けれど
痛みのために
増えるモルヒネの量
口からは
何も食べる事ができず
命のカウントダウンは
確実に
0に近づいていた
それでも
私が母と過ごす時間を
私が後悔しないための時間を
モルが
くれたのではないかと
大好きな母への
モルからの
恩返しだったのではないかと
七年たった今も
そう思う
モルが逝って
半月ほどして
母は空に還った
一足先に行ってるよ
抱っこは待ってるよ
みんなで
待ってるよ
モルヒネによるせん妄が
始まり
母は何を見ていたのだろう
元気になったら
東京の歌舞伎座に行こうな
元気になったら
越後湯沢に行こうな
元気になったら…
元気になったら…
私は
大嘘つきな娘だった
ただ
そばにいる事しかできず
優しい言葉もかけられず
気のきいた言葉も
見つからず
あの時間は
お互いが
離れる時が
来るのを
別れに向かっているのを
必死で耐えていたのかも
しれない
七年たった今
そう思う
あれから七年
モル
お空の上は賑やかでしょう?
おかあさん
虹の橋の向こうは
暖かな雪が
降ってるんでしょう?
今年は
あなたの好きな雪が
降りません
こんな暖かなお節分なんて…
と
あなたの
声が
遠くから
笑っていました
二月如月
きらきらと
きらめく雪は
空からの
神様がくれた贈り物
すべてを
覆う優しさの
きらめく雪は
贈り物