父の老健入所の日を
無事に迎え
三日め
思いの外
早く馴染んでくれていて
安堵したとたん
私は
オーロラ姫のように
眠った
疲れてたんだ…
退院から一ヶ月
ベッドが空いたからと
老健さんから入所できると
聞いてからも
気を張ってたんだ
「老健」
介護に携わる仕事している方や
介護をされている家族の方以外には
馴染みのない言葉
私も
詳しくは知らなかった
正式には
介護老人保健施設といい
医療ケアやリハビリを
必要とする
要介護状態の高齢者(65歳以上)を受け入れている
食事や排泄の介助といった
介護サービスは提供されるものの
主に自宅などに
戻るためのリハビリが中心
医療的にも安定していて
在宅復帰を目指すための
三ヶ月の短期入所の
施設である
入所者1人に対して
週2回以上のリハビリを行うこと
という規定があり
通常1回のリハビリの時間は
20~30分程度
これだけを見ると
リハビリ時間が少ないと
感じるが
フロアでの食事や
集団での体操や
ベッドからの起き上がり
車イスへの移乗
介助が必要だったり
見守りが必要だったりで
なかなか家では
ことある度にできない事を
毎日の生活の中で
行う事で
機能の回復
もしくは現状維持に
期待しての
入所となった
父にとっても
病院ではない場所
始めての経験
ショートステイの長いバージョン
なんて言っても
不安だっただろうし
施設により
質もピンきり
なんて話も聞くと
私も不安になった
でも
相談員さんの対応に
安心し
父の入所を決めた
在宅介護が
どれだけたいへんかは
実際経験してみないと
わからない
介護にかかる時間以上に
大きく気持ちに
のしかかるもの
それが
介護する側を
苦しめるものだとしたら
そこのケアって
誰がしてくれるんだろう
目をつむってでも
施設に預けなければならない
そんな現状が
いつか
自分にやってくるのかも
しれないと
オーロラ姫のように
眠りながら
見た夢は
母の夢だった