輪廻転生
今日のブログは
夢物語
現実なのか
まやかしなのか
乾いた大地
荒れ果てた大地が
紅に染まる
幼い弟の手をひき歩く
一人の少女
親とはぐれたのか
捨てられたのか
それでも
少女はどこかへ向かっていた
おなかをすかせた弟を
なだめなだめて
足が痛いと泣く弟を
なだめなだめて
ぐっと涙をこらえ
少女はどこかへ向かっていた
木の陰から見た家は
貧しいながら
優しそうな笑顔があった
その夜
少女は
その家の前に
弟を一人残し
走り去った
必ず迎えに来るから
待っていて
朝までここにいるんだよ
振り返りながら
気持ちだけを
そこに残し
けれど少女には
もう
流す涙すら枯れていた
その夜から
幾年かが過ぎ
少女は忘れてしまった
生きることに精一杯の日々が
とてつもない悲しみが
少女からすべてを消し去った
弟は姉を待ちながら
大人になった
迎えに来るから
その言葉を胸にしまいこみ
大人になった
人生の終わり
来世でも
姉を待つことを誓った幼い弟は
畑を耕しながら
輪廻転生を繰り返し
幾度となく繰り返し
今世出会った二人は
何もできなかった思いと
待ち焦がれた思いとを
交差しながら
共に生きる道を選んだ
あの夜の姉の気持ちを
わかろうとする弟
捨てた自分を責める姉
男と女として
出会った二人に
交差する思い
紅に染まる空が
二人にあの日々を
思い出させた
二度と手を離すことなく
共に生きよう
姉は弟の人生を
すべて背負うと
心に誓い
共に生きよう
輪廻転生が本当に
あるのなら
この子たちも
いつの世か
繋いだ手を離してしまったのかも
ゆっくり寄り添い
ゆっくり生きよう

幾度となく繰り返した
輪廻転生
けれど
間違いなく
私達は
今
今を生きている